▼旅の途中で色んな物がバグっていました。【Lv3】
「っぜぇ…ぜぇ……」
「遅いよーカケルくん。そろそろ休憩タイム終わらせるよ~?」
「ちょっ、待って下さい…皆速い……」
ルフさんが軽く笑いながら水筒を差し出す。
「やーごめんごめん、反応が面白くてさ☆」
「こっちの身にもなって下さいよ……」
「ホントに悪いと思ってるって。まあ時間もないしそろそろ行くか。」
町の入り口へ(僕以外の)皆が足を向けた時。
「おーいおめーら!ちょいと待てー!!」
「武器屋のおっちゃん?!」
よすぎる体格に合わぬ華麗な疾走感で走ってくる。
おっさんのくせに…若さはこっちが上なのに……。
ふいに目の前に画面が現れる。
[▼【ダラーズ】が助っ人申請を送ってきました!助っ人にしますか?]
[はい いいえ]
「助っ人申請…?」
「ほら、俺一応 職業【情報屋】だし、武器も提供できるからよ。お前らの事だし、どうせ
魔王に会いに行くんだろ?」
「そうだけど…どうする?ミワ。」
「どうするって?」
「だからこの人を助っ人にするかって事。」
ミワさんは「何言ってるんだろう こいつら」みたいな顔で首を傾げた。
「私もともとダラーズさんを助っ人に登録してあるから別に良いんだけど。」
「え?!」
「なんかいつもごめんなさい、ダラーズさん。」
「いやいや、訳ないってことよ。ちょっと目を離したら、こりゃ良い仲間と可愛い弟子が
いるじゃねぇか。あの時はあんなに人見知りでバニィなんか「可愛すぎて倒せないっ!」
なんて言ってたのによ。」
おっちゃんはキュッと目を細めた。
「強くなったな。」
ミワさんは珍しくソワソワしながら「別に、強くなんか…」と呟いた。
周りのメンバーも、もちろん自分も頷いて助っ人申請に[はい]を選択する。
[▼【ダラーズ】を助っ人に登録しました!]
「…じゃあ、そろそろ行くことにします。」
「おう。気をつけろ。余り一人で背負うなよ。」
「はい。」
クルリとこちらを向き相変わらずでミワさんは「行こっか」と笑った。
そして始まりの門を越えて。
僕らの前代未聞な旅が始まった。
武器屋のおっちゃん = 【ダラーズ】。
ここでさりげなく本名公開。
(カケルくんはツッコミのタイミングを見失いました)




