▼旅の途中で色んな物がバグっていました。【Lv2】
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「ようし、こっち終わり!そっちは~?」
「終了しました。」
「バッチリだよ~っ」
慌てて最後の物をリュックに入れると「こっちも終わりました!」と
立ち上が……
……れない。
色々な物を詰め込み過ぎて重さがハンパないのだ。
何で皆はそんな小さくて軽いの?!
「パッパカパーン。それではカケルさんへの特典でーす。」
いきなりミワさんが片手でヒョイとリュックを持ち上げた。
一瞬固まってしまったが【力量スキル】も極めているであろう彼女には、
この重さは大した量では無いかもしれない。くそう。
「…で、特典って何ですか。無限に物が入るバックでも貰えるんですk…
って おおっ?!」
途中まで言うと再び莫大な重力が背中に乗ってくる。
ミワさんが手を離したのだ。
「ちょっ!これ初心者にはスッゴく重いんですから気をつけて下さい!
どうしたんですかいきなり?!」
[▼てってれれ~♪
【カケル】の力量スキルが10upした!]
「うわぁめっちゃ上がった!何かちょっと楽になりましたよ ねぇ?!」
「そのためのスキルですからね。」
「ですよねーっ!」
ようやくエコさんが合いの手を入れてくれて、ずっと黙っていたミワさんは
「まいっか。」と今度はリュックに手を掛けた。
尋常じゃない程の力で押さえつけてくる。
[▼てってれれ~♪
【カケル】の力量スキルが15upした!]
[▼てってれれ~♪
【カケル】の力量スキルが13upした!]
[▼てってれれ~♪
【カケル】の力量スキルが16upした!]
「うわぁぁぁぁぁぁぁどんどん上がってるんですけど?!
何やっているんですかミワさん!」
「特典上げられる位まで強制的にスキル上げしてる。」
「一番楽な方法ですね!」
画面に文字が表示される度に負担が軽くなり、その一瞬後には
ミワさんがギアを上げてくるものだから、
終わった頃には初心者には信じられない位の数値になっていた。
「じゃ、今度こそ特典プレゼント。」
「出来る限り早くして下さい…精神的に疲れました…」
「OK。じゃ、【収納魔法 拡張呪文】発動!」
しゅるるるるるるるるるるるるるんっ!
リュックの中身が底へ吸い込まれていくような音がして、布が縮む。
先程スキル上げしたからか、まるでこの世の物とは思えないくらいに
軽かった。
何だコレは…何なんだいコレは?!
「さっきカケル君が言ってたでしょ、“無限に物が入るバッグ”って。
つまりはそういう事。」
「うわぁ…スゴイ、軽いっ…!!スゴイですよミワさんっ!」
「ふふん、まあね♪でも喜んでいられるのはいつまでかなっ☆」
「へ?」
カシャッ
いつのまにかレイちゃんさん(見た目年下なのでどちらで呼べば良いのか
分からない。)が手首と足に“重り”を付けていた。
「なぁぁぁぁぁっ?!」
「落ち着いて…貴方を拘束しようとは思ってない…これも修行……」
「私は別にいいと思ったんだけどね~、ガルが断固譲らなくてさ~、」
「ちなみに一個1キロだからな。」
なぬっ?!てことは、全部で4キロぉ?!
「安心して、私達も付けるから。一個10キロくらいn」
「愚痴言ってすみません反省します。」
「カケルくんてホントに面白いねーっ」
ルフさんがゲラゲラと笑いながらナップザックを肩に掛ける。
「さて問題。偏って力量が上がるとダウンしてしまうのは
どのスキルでしょう?」
「ちょ、跳躍スキルと疾走スキル?」
「正解!と言う訳でこの町の入り口までダッシュね!」
「おっ、いいなソレ。」
「せいぜい頑張って……」
「え?え?」
水槽からリリさんがぬらりと出てきて宙を泳ぎ、ドア付近で止まった。
ちょっと待って重り付けて走るの?結構距離あるよ?
「よーい…ドンッ!」
ミワさんのかけ声で皆が走り出す。
なんかもう旅の最初からくじけそうなんですけど__?!




