戦士より語られし師弟の過去
はい、題名通り……戦士(マフジー&ディノ)より語られる師弟(キラ&タクミ)の過去物語です。
パールさんの出番は下へスクロールすれば出てきm(殴
※勿論本編でもしっかり用意しますのでお待ちください。
この話は現実世界軸で今から10年ほど昔に遡るんだ…………
☆☆☆★★★
キラはその時はまだ8才で近くには保育所があったらしい…………
で、いつもそこで小さい子供達と一緒に遊んでいたんだと。
そしてある夏の日、夏休みだったキラにある出会いがあった…………
「今日は何してみんなと遊ぼうかなぁ…………ん? 何だろう…………」
キラが保育所の前で見付けたのは小さな段ボール箱だった。
最初、キラは子猫か子犬が捨てられていると思ったらしい。キラの家はとある事情で動物が飼えなかったらしい。
「そうだ!保育所のお姉さん達に飼ってもらおっと♪」
そう呟いて段ボール箱に駆け寄るキラだったんだけど…………中身をみてキラはビックリした。
「えっ!?…………赤……ちゃん…………大変だぁっ!」
キラは慌てて近くに住んでいた保育所のお姉さんの家に行き、一緒にその場所へと駆け付けた。
「大変…………キラ君、大急ぎで手伝って!」
「うん!!」
幸い、その赤ちゃんは発見が早かったのと近くに冷たい水の入ったペットボトルがあったため、助かったらしい。
そして赤ちゃんが寝静まった時にお姉さんがキラに話し掛けてきたんだ。
「ねぇ……キラ君?」
「なーに?お姉さん…………」
「あの赤ちゃんの名前……考えてくれない?」
「え…………?なんで……お姉さんが付けないの?」
「キラ君に付けて欲しいの。…………ダメかな?」
「ううん!大丈夫!あの赤ちゃん……男の子?」
「ええ。」
「だったらもう決めてるんだ!たくみ!」
「……たくみ…………か。いい名前ね!」
「うん!ぼくも弟が出来たらたくみって名付けたいんだ♪この子も……ぼくも弟みたいだからさ♪」
「そうね。それじゃあ家で引き取りましょうか。そしたら家に来る度にたくみ君に会えるわよ!」
「やったぁ!!」
そしてタクミ…………もとい、山崎匠、になったと言うわけだ。
そしてそれから数年後のクリスマス……キラ12才、タクミ4才の時に一人の子供がタクミのいる保育所に来たんだ。確か名前は…………フミヤ、そう!四月一日文也!フミヤがいたのは奇しくもタクミが捨てられていた場所だったんだ…………その時に見付けたのも……キラだったんだ。
「今日は皆とクリスマスパーティ&お泊まり会♪皆に喜んで貰うために母さんに少し手伝ってもらいながらこれを作ったんだけど気に入ってくれるかな…………」
キラはクッキーの入った袋を片手に雪のシンシンと降る夕暮れを走っていたんだ。すると保育所の入り口付近に少年がうずくまってたんだと…………
「あれ…………誰だろ……子供?」
キラが近寄るとその子供はスグにキラに抱き付いたらしい……
「えっ!?ちょっと…………どうしたの!?お母さんやお父さんはどうしたの?」
「いないの…………」
「え…………君、名前は?」
「ふみや……わたぬきふみや。」
「ふみや君だね…………ここじゃ寒いでしょ……そこに一緒に行こ。」
「うん…………」
そしてそれからキラ、タクミ、フミヤの3人はよく一緒に遊ぶ様になったんだってさ…………
☆☆☆★★★
「でも……ここまでは良い話じゃない?」
「確かに…………でも、それから何だろ?」
セイルの疑問にパールは頷きながら続きを促した。
「ここからは僕が話しますね……確かにここまではとても良い話です。…………が、それから1つの事件が起こったんです。
☆☆☆★★★
それはキラ兄さんが15才、タクミ君とフミヤ君が7才の時に起こりました…………
その前の年に保育所を出たタクミ君とフミヤ君はお世話になってる保育所のお姉さんの所から近くの小学校に通ってたんです。そしてキラ兄さんがいつも学校に迎えに行き、色んな話をしながら帰る…………至って普通の光景だったんです。
でもある日、キラ兄さんは迎えに行けなかったんです。その前年からキラ兄さんへの苛めが相次いで……殆ど学校へ行けなかったんです。勿論、学校へ行ってなかったキラ兄さんが外へ出る機会もありませんでした……
そして…………事件が起こったんです。
キラ兄さんが苛めに遭っていた事を知らない二人はいつもの帰り道を二人だけで帰っていたんです。
「キラ兄今日も来なかったね…………」
「そうだね……家に行っても出ないし…………どうしたんだろうね…………」
そしてキラ兄さんの家の近くまできたその時…………
ドーーーーン!
突然出てきた車がタクミ君の前を歩いていたフミヤ君にぶつかったんです……
タクミ君は何がなんだかさっぱりでした。歩いていたらフミヤ君に車が突っ込んで来たんですもの…………。するとキラ兄さんが家から飛び出して来たんです。
「タクミ!!」
「キラ兄!」
タクミ君はキラ兄さんに飛び付きました。恐かったのか……久しぶりに会えた喜びなのかはキラ兄さんにも分かりませんでした。でもキラ兄さんはふと近くにフミヤ君がいない事に気付きました。
「タクミ……フミヤはどうした?一緒じゃないのか?」
するとタクミ君は震えながら壁に激突した車を指差しました。
「!?……まさか…………フミヤ!!」
キラ兄さんは車の周辺を探していると血まみれで倒れているフミヤ君を見つけたんです。
「フミヤ!?フミヤ!!しっかりしろ!!」
キラ兄さんはフミヤ君を抱き抱えながらタクミ君の手を握り家まで送ったそうです。その後……フミヤ君は緊急手術を受けたんですけど…………
「先生!!フミヤは……」
「残念ながら…………」
「そ……そんな…………フミ……ヤ…………うっ…………うわあああああああああああああっ!!」
☆☆☆★★★
あらましを聞いたセイルとパールは悲しみを堪えきれず涙を流していた。
「ひ……酷い。」
「確かにな…………」
「そして、キラ兄さんはその日からこの世界に来るようになったそうです…………その時は今のタクミ君と同じく心に闇を抱えたまま…………キラ兄さんの場合は比較的に早く解消されたため、何とか10ヶ月程で帰れたんですが……帰ってきたキラ兄さんが目の当たりにしたのは記憶喪失になったタクミ君の姿だったそうです…………
これが僕とマフジーさんがキラ兄さんから聞いた全てです。」
そして4人の間に沈黙が続くなかでパールがふと気が付く
「なぁ…………キラ君……遅くないか?」
セイルが時計を見ると話が始まったときから短針が2つ分進んでいた
「確かに……いくらなんでも二時間は…………」
「そうだな……キラは散歩に出たとしても長くて一時間位で帰ってくるはず…………どうしたんだろ」
「キラ兄さんを探しに行きましょうよ!!」
「ああ(ええ)!!」
そういって4人は各々の武器を片手にキラを探しに出掛けたのだった…………
果たしてキラの運命は如何に!?
次回予告(CV:パール)
キラ君は一体何処へ行ったんだよ~……
そしてマフジーより語られるキラとの出会い……どんな感じで出会ったんだろうか…………
次回……
師匠は戦場で何を想う?
さぁ……壮大な冒険はまだ始まったばかりだよ~。