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青年A  作者: 藤崎 京
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前編

 摩耶を過ぎたあたりから建物の背が高くなった。ハーフミラーの窓ガラスが目前に迫り、立ち並ぶ高層ビルの間を抜けていく高速道路はまるでSF漫画で読んだ近未来都市のようだ。子供の頃、この辺りを通るたびそれだけでわくわくしたのを思い出す。トモオは左側の窓へと小型のビデオカメラを向けた。海と山に挟まれた市街地で海側になるはずだったが、ビルの背後に山が連なる右の窓と異なり海は見えなかった。

 運転席では昨夜からずっとコウジがハンドルを握っていた。いつでも替われるようにと準備をしていたがトモオの出番はついに回ってくることはなかった。

「次で降りればいいか?」

「あ、うん」

 前を向いたままコウジが問い掛けた。後部座席から返事をすると車は緩やかに左へと車線変更した。ここから先はかつて住んでいたことのある自分が運転を替わった方が良いかとも思ったが、十年以上も昔の記憶よりナビの方が余程正確だろうとトモオは提案を飲み込んだ。

 高速道路を降りて暫く走ると、赤いタワーと帆船の帆を形取る白い大きな建物が見え、助手席でエリカがはしゃいだ声を上げた。

「トモオ、景色ばっか撮ってないでお母さんのこと撮れよ」

 寝ていない所為かコウジは少しテンションが高い。

 分かってる、とトモオは少し笑って山側に座る母親へとカメラを向けた。

「懐かしい?」

 年老いた母親には負担の大きい遠路だったに違いない。しかしトモオが声を掛けると彼女は目を醒ましたばかりの痩せた身体を少し起して窓の方へと顔を向けた。

「そうねえ、トモちゃん」

 戸惑いの滲む声で、母親はかつてトモオが幼かった頃のように呼んだ。名を呼ばれるのは久しぶりだった。エリカが綺麗にメイクを施した母親は普段よりも幾分か若く見えた。

「十年以上経つからね。いろいろ変わってるところもあると思うよ」

 ハンドルを握るコウジが母親の戸惑いに応える。トモオの母親は「あらそうなの」と安心したように言って後部座席のシートに再び背を預けた。

 トモオはカメラを支える腕を固定したままそっと液晶から視線を外した。その様子がルームミラー越しにコウジへ伝わる。

「船乗ろうか。『港めぐり』だってさ。俺ちゃんと調べてきててえらくない?」

「先生えらーい!」

 コウジの明るい声に、エリカが再びはしゃぐ。トモオの更に後ろの席ではチャイルドシートに身を包まれたヒロトがまだ眠っていた。船に乗れると知ればヒロトもきっとエリカと同じ様にはしゃぐだろう。

 港めぐりなんて地元の人間はみんな知ってるしみんな乗らないんだよ、そう言い返そうとしたが上手く言葉が出ないまま車は港へ向かった。



 コウジと再会した二十五歳の夏、驚いたことに彼は某有名国立大学に通う大学生になっていた。「驚いたことに」という表現は適切ではない。コウジは元々とても頭の切れる人物で、トモオから見ればコウジは本来あるべき姿へと軌道修正を果たしただけのようにも見えたからだ。

 トモオは自動車整備工場で工場長に怒鳴られながら油に汚れた己の手を見つめ、コウジとはやはり何処か住む世界が違うと思った。自分のような者は働ける場所があるだけで幸いなのだ。文句一つ言わず黙々と仕事をこなしながら、それでもトモオは彼と出会った頃のことを思い出さずにはいられなかった。十六の青春時代、二人は同じ場所に居た。同じ場所には居たが、見えていた世界は全く別のものだったのだろう。

「探すのに苦労したよ」

 彼はまるでトモオの帰宅を待ち構えていたかのようだった。小綺麗なスーツに身を包み、アパートの前で立っていたコウジを部屋へ上げると、トモオの母親はちゃぶ台に乗っていた夕飯を慌てて片付けて冷蔵庫からよく冷えたウーロン茶を持ってきた。トモオは注意深く彼女の行動を目で追った後、クーラーの電源を入れた。氷の浮かぶ薄茶色の液体はガラスを通り越して瞬く間に透明な汗を吹いた。何度も住所を変えて辿り着いた古いアパートの一室、よくもこんな場所を見つけることができたものだと、トモオには再会の喜びよりも戸惑いの方が大きい。

 トモオは休日でも指先が黒く油色に染まったまま元の色に戻らない自分の手と、コウジの恰好を比較した。しかしトモオにはコウジを妬む気持ちは生まれなかった。彼が現在大学生をしているのならば、それには相当の努力をしただろうことが分かるからだ。

「就活?」

 学生だと言った筈の彼の衣服からトモオは問い掛ける。コウジは少し笑った。

 世の中は不景気で、新卒者の内定率が年々最低記録を更新していた。ただでさえ二十五歳の大学生には厳しい状況だろうが、ましてや自分たちにはもっと大きなハンデがある。トモオだって今の職を得るのにとても苦労をしたのだ。高校中退の自分と、有名国立大卒業見込みの彼とを比較するのも詮無いことだが、同じハンデを負った者同士、コウジの苦労をトモオなりに察したつもりだった。

「いや、就職できるなんて思ってないさ。今日は講演会に呼ばれてその帰り」

「講演会」

「去年、本を出したんだ。でまぁ、いろいろ」

 もしトモオに書店へ通う習慣があったなら、そこに平積みされた本の帯の印刷に懐かしい顔を見つけることができただろう。或いはワイドショーを見る習慣があったなら、運が良ければほんの少しの時間ではあったがインタビュアに囲まれても臆することなくはきはきと質問に答える彼の姿を目にする機会があったかもしれない。だが、仕事が終われば真っ直ぐに帰宅して、発泡酒を片手にどこを応援するともなく野球を眺めるだけのトモオにはそのどちらの機会も訪れなかった。なのでコウジが言う出版も講演会も、トモオにとってはどれもピンと来ないもので、「へぇ」と間の抜けた相槌を返すしかできなかった。

 ふとコウジが後ろを振り返った。その視線の先には、狭いアパートに見合った簡素な仏壇が置いてあった。

「親父さん、亡くなったのか」

「二年前だったかな、脳梗塞で。あっけなかったよ。……もう歳だったし」

 トモオは部屋の片隅に正座したままの母親を一瞥した。たった二人での暮らしとはいえ、それでもこのアパートは狭すぎた。二人のうちどちらか一方を訪ねてくる客人が居た場合、もう一人の居場所がないのだ。もっともそんな機会は滅多にないのだが。

「俺、トモオんとこの親父さん好きだったなぁ」

 それからコウジはトモオの母親へと向き直り、「勿論おばさんのことも大好きです」と昔と変わらないそつの無さを見せ付けてトモオの母親を喜ばせた。トモオの母親はころころと笑って「やあねぇこの子ったら」などと言ってコウジを子供扱いした。気まずかったのはトモオだけだったようだ。

「ね、父さんに手え合わせてやって」

「はい」

 久しぶりに稼動させたクーラーが唸りを上げ、仏前で手を合わせるコウジの静寂を邪魔していた。近年の猛暑は異常だ。屋内で熱中症に罹って死亡する老人が後を断たない。それを心配して母親には日中クーラーを付けるように言ったのだが彼女がクーラーをつけたことは一度もなかった。

 久しぶりに起こされて不機嫌そうに抗議の声を上げるクーラーに、やはり毎日少しずつでも稼動させておくべきだったとトモオは後悔した。

「あの頃、トモオの親父さんとお袋さんがしょっちゅうトモオに手紙くれてたろ? その時にさ、俺にまで気遣ってくれてたのが本当に嬉しくて、今でも忘れられないんだ」

 仏にお参りを済ませたコウジが熱っぽく語るのにどこか違和感を覚えながらトモオは適当に返事をした。両親が手紙をくれていたことは覚えているが、コウジのことが書かれていた記憶はあまりなかった。

「同情と興味本位以外の言葉をくれたの、トモオのご両親だけだったから」

 コウジの熱意に押される形で、トモオは困惑気味に母親を見た。彼女はただにこにこと笑っていた。

 九年前、十六歳。

 二人はそれぞれにセンセーショナルな殺人事件の加害者として出会った。



 思えばコウジと特別親しかった訳ではなかった。どちらかといえば控えめで目立つ方ではないトモオと、どこに居ても目立つコウジとでは、それこそ同じ少年院の中でも住む世界が違っていた。コウジはそこに居る他の誰とも住む世界が違っていた。誰が相手でも対等に振る舞い、明るく快活な彼はその世界では異質だった。

 初めコウジを疎ましく思う者は多かったが、いつの間にか相手の懐に入り込んで手なずける、気が付けばコウジを頂点にピラミッドが出来上がっていた。彼にはどこかそういったカリスマ性があった。

「本当は俺、ばあちゃん殺したこと後悔してないんだ」

 ある日、コウジは小さな悪戯を仕掛けた子供のような目付きでそう言った。

 彼の家には寝たきりの祖母が居た。祖母の介護に疲れて母親が身体を壊し、介護で仕事もままならなくなった父親が将来を悲観して首を吊った。寝たきりの祖母と病気の母を押し付けられて遺された十五歳の少年Aは自宅で祖母を殺害したが、そんな事情からか世間は一貫して彼に同情的だった。

「後悔してるとしたら、もっと早くに殺しておけばよかったってことさ。そしたら母さんは病気にならなかっただろうし、父さんは自殺しなかった」

 そしてコウジは顔を寄せて小声で「内緒な」と囁き、口許を引き締めて笑った。その頃にはもうコウジにはたくさんの取り巻きがいたから、大して親しくも無いトモオに打ち明けられた秘密はその時確かに彼の心を効果的に拘束した。



「じゃあここで問題。子供が親を殺すのと、親が子供を殺すの、どっちが罪が重いと思う?」

 こじんまりとした事務所の中でコウジが唐突に質問を投げかけた。かつてトモオが殺した相手は肉親ではなかったが、ぎくりとして書類を纏める手を止めて彼を振り返った。エリカという若い女の子のスタッフが「先生ェ何ソレ超ウケる」と無愛想に言い放った。トモオには何が面白いのかさっぱり分からなかった。

 コウジと再会してから三年が経った。自身の起こした事件について書いた最初の本から講演や更なる著書を重ね、いつの間にかコウジは老人福祉や児童福祉に絡む団体を運営するようになり、事務所を構えるまでになっていた。トモオは時々コウジを手伝いに事務所へ訪れるだけだが、そのたび彼に賛同する支援者やスタッフが増えているのを目の当たりにした。「家が貧乏で高校に通わせてもらえなかった」と言っていた彼の姿はもうどこにも無かった。遠回りを強いられたが彼は漸く本来の自分の道を歩けるようになったのだろう、とトモオは思った。

 コウジからは何度か自動車整備工場を辞めて事務所で働いてくれないかと誘われたが、トモオはそのたび曖昧に断った。工場長に怒鳴られている自分もまた、トモオにとっては自分の道のような気がしたからだ。

「命は本来平等であるべきだと思います。けれど、最近まで日本では親殺しの方が罪は重かったですね」

 かつてコウジの通っていた大学に現在進行形で通うユキが静かに回答する。常に冷静な受け答えをする彼女だが、コウジに気があるのはトモオにすら見て取れた。

「過去には尊属殺人罪なんてのがあったからね。廃止されてもその価値観は暫く根強かった」

「それに対して子殺しは、大抵過度の躾によるものと思われて傷害致死罪の適用でした」

「流石、良く知ってる。ならこれはどうかな、全ての生き物は子孫を残す為に行動するはずだ。だから親が子を殺すというのは動物の本能に反している」

「親を殺すのは道徳に反していて、子を殺すのは本能に反してるってことですか?」

 口を挟んだのは事務所立ち上げ初期からコウジを助けてきたリュウジという青年だった。なんでも彼はコウジが初めて書いた本にいたく共感したとかで、以来彼を師と崇めるような信者だ。

「動物でも子供を殺す事例ならあるわ。例えば、ハーレムを形成する動物の場合、リーダーの雄が交代する際に、先代の子供は全て殺してしまうものもあるし、もっと分かりやすい例なら奇形があればその遺伝子を残さない為に殺すってことも考えられるし」

 暫く才女ユキと信者リュウジの舌戦が続いた。コウジがお題を提供して二人が議論する、よくある光景だった。歳が近いというそれだけで結局は価値観が近いのだろう、ユキとリュウジはお互いになかなか譲らない。同じ意見の時でさえ二人の会話は喧嘩腰だ。それをコウジは面白そうに眺める。大抵話題についていけないトモオとエリカは二人のディベートをBGMに元の仕事に戻ることになる。

 手を二度打ち合わせる音がした。議論の中断を知らせる合図だ。

「話を戻すよ。子供の虐待問題が大きく取り上げられるようになってから方向は転換しているとはいえ、なぜ子殺しよりも親殺しの方が罪が重いなんて価値観がまかり通っていたのか。……と、過去形にするにはまだ早いかな」

 また議論か、とトモオは無関係を決め込む。入り口に積まれたダンボールを奥の倉庫へ運んでしまわなければならない。元々男手の少ない事務所だから、自分が手伝える時には後日になるべく力仕事が残らないようにしておきたかった。

 エリカの方も先ほどトモオがコピーした資料をホチキスで止める作業に没頭していた。コウジと個人的な付き合いがあるトモオや、コウジに感化されてか若者にしては社会問題に生真面目なユキやリュウジと違い、「イマドキ」を地で行くような彼女がコウジの何を慕ってこの事務所にいるのかトモオにはよく分からなかった。

「二人とも、ちょっと聞いてくれるかな」

 再び口を開き始めたユキとリュウジを手で制し、コウジが言った。トモオとエリカには、その「二人」が自分たちに向けられたものだと理解するのに数秒ほど要った。

「なぜ子殺しよりも親殺しの方が罪が重かったか。それはね、子供には選挙権がないからだ。親は票を持ってる。だから法律は親を保護するように作ってあったんだ。トモオ、エリカちゃん、無知を理由に無関心でいるのが一番良くない。無関心は票を持っていないのと一緒だ。票を持っていなければ法から見捨てられる。苦しむのは自分だよ」

「コウジくんは政治家になりたいの?」

 コウジの言っていることがあまりよく理解できないままトモオは問い返す。この事務所でコウジを先生と呼ばないのはトモオだけだ。

 ユキとリュウジが嫌悪を含むどこか馬鹿にしたような表情でトモオを見たが、コウジはただ真っ直ぐにトモオへ視線を返した。コウジが好感を持たれるのは昔から変わらないその人間性の部分だとトモオは思った。

「俺がなりたいのは政治家じゃなくて革命家」

 エリカがヒューヒューと口笛の真似をして茶化すとコウジは軽く笑って「恰好良いだろ」と冗談のように誤魔化したが、トモオは何となくそれが本気のような気がしたのだった。

 次には「なぜマスコミは政策じゃなくて汚職事件ばかり取り上げるのか」と話題が移ったのでトモオは真意を確かめるのを諦めて入り口のダンボールを持ち上げた。エリカがデスクで「お偉いさん方はちっとも仕事しない」と悪態を吐きながらホチキス止めの終わった資料を揃えていた。倉庫へ向かう背後ではコウジの講義が続いていた。

「それはね、政治がマスコミに協力させてるんだ、国民が政策に興味を持たないように。それに人は自分と直接関りのない話なら難しい話よりもゴシップの方が好きだから、マスコミの方も政策なんかより分かりやすい事件を報道する方が数字も伸びる。利害が一致してるんだ。けれどこんなことしてたらいずれ国民は政治そのものに興味を失う。実は政府にとってはこれが一番の狙いなのさ」



 殺さなければ殺される。あの時トモオはそう思った。それは何年も経った今でも変わらない。殺さなければ殺されていただろう。当時校内でいじめを受けていたのはトモオだけではなく、ターゲットは月一程度の割り合いで変更されていたが、その一ヶ月を耐え切った直後のトモオには彼らに抵抗する勇気などもう欠片も残っていなかった。

 目の前にはただの憂さ晴らしで数時間に渡り殴る蹴るの暴行を受けて動けなくなったホームレスの老人がぼろ雑巾のように蹲っていた。このまま放って置いてもいずれ死んでしまうのではないかと恐らくその場の誰もが思っていたに違いない。だからこそ彼らはトモオに無理矢理ナイフを握らせたのだ。

 取り囲むギャラリーが面白半分に殺せと野次る。その声は徐々に異様なリズムを刻み始め、まるで小学校の給食時に牛乳を飲ませる一気コールのようになった。

(殺せ、殺せ)

 トモオが勢い良く立ち上がった所為でパイプ椅子が後ろにひっくり返った。半狂乱だった母親が、今は啜り泣きをしていた。厳格な父親はじっとトモオを見つめていた。無言で責めるようなその目がトモオは昔から苦手だった。

「父さんには分からないよ……」

 両手で顔を覆い、額の汗を拭った。手の中のナイフが人体の肉へと埋め込まれてゆくその感触はいつまで経っても消えなかった。

 途切れがちに全てを話終えた後、トモオは早速後悔した。いじめを教師に訴えたところで何も変わらない、いや寧ろ状況は悪くなるだけだ、そんなことは誰だって知っている。そして父親もまた、中学校で国語を教える教師だ。

 殺さなければ殺される。そんなこと、あるわけがないと大人たちは笑うのだ。まさかいくらなんでもそこまではしないだろう、と。実際に何人もの子供がいじめを苦に自殺をしていても。彼らは心が弱かったから自殺したとでも言うのだろうか。

 トモオは床に畳まれたパイプ椅子を引き起こして開いた。前へ回って座る、その動作がとても億劫に感じられた。

「智雄」

 パイプ椅子の背に手を掛けたままトモオは伺うように父親へと目を向けた。

 高齢で授かった子供に両親はとても期待したのだろう。母親は過保護で、父親は厳しかった。愛情を受けて育てられたことに変わりはなかったが、両親はトモオにとって理解者ではなかった。

「智雄、気付いてやれなくてすまなかった」

 そう言って父親が静かに頭を下げるのを見て、トモオは震える息を吐き出した。

 理解者ではなかったが、愛を注いでくれていた。

 理解を得る努力を放棄していた自分には、それだけでも充分だった。

 父親の隣では母親が再び大声で泣いていた。



 生きていてくれて良かった。

 そう思ってくれる人が居る限り生き続けなさい。

 私はお前が生きていてくれて本当に良かった。

 ――父親からの手紙にはそう書かれていた。

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