表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

プロローグ

最初のプロローグは斜め読みくらいで進めていただくと、読みやすいかと思います。

 この世界には神様がいる。神様は住人とほとんど変わらない生活をしている。

その神様というのは実は私なんだけど、そのことに誰も気づいていない。


 私は神様、シロと呼ばれている。


次に、私が住んでいる世界について話す。

『世界』と言ってもとても小さい。『町』といったほうがしっくりくる。

此処には三百人程の自分の意思を持った人間が暮らしている。

町と表しても少ないと思ったかもしれないけど、私にとったら多い方だ。

沢山いると管理ができなくなってしまう。この町を私の納得いく形にしたい。


 私は毎日毎日この町を歩き回り、どう修正すれば良いかと考えている。


 ある時私は、人からある程度の悪感情を抜いた。

すると皆、誰も人を恨んだり、憎んだり、はたまた喧嘩をする人間も居なくなった。

仲良く暮らしてた。

最初だけは…。


 暫くすると、何人かが倒れた。

時が過ぎていく事にその人数は膨れ上がった。

死人は出ていないが、あまりにも倒れた人数が多すぎた。

悪感情を全て抜き取らなかった私にも原因があるのだけど、原因はストレス。


 悪感情につながるものを全て消せなかった。


 まず、人間には好みというものがある。

それは食の好みだけではなく、感情であったり、行動であったりと、様々なところででてくる。

その好みを消してしまうのが一番手っ取り早いのだけど、それを消してしまうと、同じ人間を大量生産しているのと同じだ。


 話がそれてしまったが、人とのずれを感じてしまい、小さな違和感が出てくる。

小さな塵のような違和感は降り積もると大きな、大きな山になっていくの。

言い方を変えると、相手の事が嫌いだ、という悪感情を抜いたとしても、好き、という感情は消えない。

その好き、は人によって濃さが変わっていく。

つまり、好きの中でもカースト最下位の人間を作ってしまうという事。


 このストレスの溜まり方もただの一例であって、他にもたくさんあるだろう。


 きっと感情は全て繋がっているんだ。

別々にあるように見えるのだけれど、目を凝らしてみると繋がりが見えてくる。

だからその感情が行き来している線を一方的に切ってしまったら、行き場所が無くなってしまう。

今まで黒ずんだ大きな感情の山は、悪感情として扱われ、その箱に仕舞われていた。

しかし、その箱を繋がっている線を私が消してしまった。

悪感情ができそうになったが、他の感情に変換しようと体が暴走したんだろう。

その結果がこれ。


 嫌いという感情がない世界。

とだけいうととても綺麗な世界だが、見方を変えてしまうと、嫌いという言葉がない世界、という事にもなる。


 このようなことを何度も私は繰り返して…けれど、未だにいい世界のバランスを見つけられないでいる。

けれどいつか必ず、私の納得いく世界を作ってみせる。

そう思っていたのだが、             


今私は自分の無力さに落ち込んでいる真最中でもある。


 この世界はまだ初期設定のまま変われていない。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ