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ヒト球と光絵の具

作者: 小鳥遊Ham氏

初めは何も考えることなんかなかった。

ヒトは多分、まだ自我を得るほどの年月を重ねていなかった。

知識が無く、経験が無く、故に考えられる事も動ける事も少なかった。


知己を得た。

ヒトと出会った。

学校と呼ばれる場所へ通い同じ程度の年月を経験した他者と空間を共有し時間を過ごした。

そこで得られたものはヒトを作った。

剥き出しの球体に油絵具を重ねるように、それぞれにしかない模様と厚みを生み出した。

ヒトたちは時には互いにぶつかって削り合い、時に爪痕を残す。


学びを得た。

学校、家庭、習い事、遊び、全ての出会いと言葉が更なる厚みをくれた。

はじめてにぶつかる度、ヒトは新しい色を手に入れた。


色にも繋がりはあった。

新たにもたらされた色が、先に得た色を溶かしてしまう事もあった。

それは否定では無く、更新だった。

元からあった色と混ざり合った新たな色は、それだけでは決して見られなかった美しい色を持つ。

色は、更新される度に己の色を洗練していく。

美しく、暗く、鋭く、なめらかに。

色が自らの存在を深めていく。


厚みは剥がれる事もあった。

強く激しくぶつかり合った時、静かに密接に削りあった時、ナイフが不意に色を切り分けた時。

落ちた色を貼り直す事があれば、誰にも忘れ去られて残り続ける事もある。

新しい色に居場所を失った色も数知れない。


色は塗り重ねられる度に厚みを増し、同時に深く染み込む。

核に近付く程に染み込んだそれは学びとなり、ヒトを変質させうる。

しかし既に厚く塗られた色は新たな色が染み込むのを拒む。

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