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タイトル未定!  作者: ゆらぎ二等兵
8/8

頬に垂れるそれ

短かッ!

「なら、どうして私を助けんだですか? あなたが、私を救わなければその右手も無事だったかもしれないのに」

 助けなければ、エーベルハルトは右手を失わずに済んだ。私を助けなければ冷静さを欠いていなかった。助けなけれ――。

「オイ」

 その言葉の次にくる行動を私はよく知っている。拳骨だ。しかし、私の予想に反して来る行動は非常に優しいものだった。

 腕を振るえないのか、チョコンと私の頭に手首からその先を失った手を乗せた。包帯から沁みた血がしたたれ落ち、私の鼻先をしずくとなって落ちる。

 何故だ? 視界がぼやける?

 ………どうして、どうして?

 その意味を私の手に落ちたしずくで気づくことがきできた。血ではない。透明なソレ。

 そう、戦場に来てから一度も出したことがなかった。それ。仲間が目の前で殺されようと、見捨てようと、一度も流さなかったソレ。

 嗚呼、涙だ。

 涙腺は既に悲鳴を上げていた。

 私は声を出して泣いた。周りから、視線が集まった。それでも泣いた。

 朧気な視線から見える、それはエーベルハルトの初めて見る優しい顔だった。穏やかだった。

「許そう。今は泣け。泣くだけ。泣け、そして、

 よく頑張ったな」

 そういって、撫でた。

 右手首のない手で何度も頭を撫でた。血が垂れた。涙が零れた。

 久しく流さなかったそれは泥だらけの頬をゆっくと滴っていく。生ぬるいソレが流れる。

 私はただ号泣することしかできなかった。


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本当に関係ないことです。

「変な家」見に行きました。

個人的にはびっくりホラー系よりも原作のコワイくないホラーの方がすきだったんだけどな~

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