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色狂いの転生狒々領主  作者: ばさない
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前章 ~夢破れし者~

なろう処女作です。

昨今目にする鈍感系主人公にフラストレーションがたまったため自給自足するために執筆しました。

狒々は性欲の強い男性を揶揄する言葉ですが、主人公は善人です。

主人公サイドの合意無き男女関係は基本的にはない予定です。


気が向いたときに投稿する気まぐれ執筆ですが、読んでいただいた方の一時の娯楽を提供できれば何よりです。


アンタにとっちゃ狂気だろうさ。だが俺はそれこそを愛と呼ぶのさ。

~米国ジャズ奏者 ドンバイアス~





2030年 インド ラジャスタン州


一本の田舎道を砂煙を挙げて車列が進む。

先頭と最後尾に機関砲で武装し、車上に小銃を抱えた兵士が座る軽装甲車が走り、

その中ほどに軍用・民生用の貨物トラック、タンクローリーが走る。

しかし、その速度は何故か40KM/Hと遅い。


車列の中の日系企業のロゴを入れたトラックの運転手は心底いやそうな顔で無線機をとる。

「東雲3より東雲1」

無線機からはけだるげな男性の声が返ってくる。

『東雲3どうぞ』

「こいつらいつまでちんたら走ってるんだ?」

『そう言うな。こいつらは俺達の首輪であると同時に盾なんだぞ』

「それはわかるがこれでは納期に間に合わんぞ」

『メヘンディ公使は事情柄納期は遅れても構わないと』

「それは公使の都合だ。本社はそう思っていない」

『おいおい、支局長の俺がそれを把握していないと思っているのか?』

「こんだけのんびりしていりゃな」

『まあ、本社には軍部の連中に足止めされたというしかないさ。

それに、支局長の俺はともかく、お前の査定には影響しないだろうよ』

「ならいいが…」

『何か気になるか?』

「いや、あいつらの様子だよ」

『国境沿いだから警戒しているんだろ』

「にしたっておかしい。なんで車内に隠れない?」


その時、車列の先頭から叫び声が聞こえる。

〈〈シャトゥヴィマーー!!〉〉

兵士達は口々に叫び、荷台から飛び降りて地面に這いつくばり、衝撃に備える。

装甲車は車道を外れ草原とも砂地ともつかない場所にそれ、

空に向かって主砲と機関銃をばらまき、遁走する。


『空襲だ!ばらけろ!一台でもいいから積み荷を守れ!!』

「くそったれ!奴らこれを警戒していたんだ!!」

車列は散り散りになり逃げるが、敵機は男の乗るトラックに狙いを定める。


「おいおい、日の丸はちょうどいい的ってか?」

不運にも男の乗るトラックには会社のロゴ、すなわち東雲を表す夜明けの雲と、

それを照らす国章でもある日の丸が描かれていた。

余談だが、ほかの車両は緊張する国境付近で活動するための無地の車両に更新されてい。

しかし、男は危険手当を目的にこの更新の追い付かなかった目立つ車両に乗っていた。


「畜生が!これで日当+1000円は安すぎだぜ!」

高速で突っ込んでくる機体が突如火を噴いた。

兵士達が歓声を上げている。迎撃に成功したのだ。

しかし、その軌道は刺し違えてでもと言わんばかりにトラックに固定されていた。

「おいおい…なんで異国の果てで日本人の俺がカミカゼされなきゃいけねぇんだ。

俺はなぁ…まだ夢半ばなんだよ!!」

男がそう叫んだ一刹那、激しい衝撃とともに火の手が襲う。


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