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革命の価値

作者: 川里隼生

 そこは戦場だった。先の大戦終結以来、我が国の日常では存在しないことが当たり前の銃や戦車が、そこかしこで不穏な影を見せている。ここはアジアの某国。軍事クーデターが発生したため、私は現場の取材に訪れたのだ。


 今日はクーデター側のトップと接触することに成功した。彼は腐敗した政治家が国を滅ぼすと主張して、国家の一新を目指していた。彼自身の理想を大いに熱く語ってもらった。明日にも国から裏切り者扱いを受けるかもしれない中で、その男は母国の未来へ彼なりの光を当てようとしていた。


 私には、戦地にいる彼がとても生き生きとしているように感じられた。むしろ、平和なオフィスでこの極東の記事を書いていた先日までの私のほうが、生ける屍だったとすら思えた。我が独国でもこの日本でも、しばしば軍人たちは命など惜しくないと言う。これまで私はそれをやせ我慢だと決めつけていたが、あのクリハラという男のように、彼らは案外、本気で命を惜しく思っていないのかもしれない。

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