1話〜目が覚めると…〜
私は金城美鈴。普通の会社に属していて、ただのOLだ。毎日何の変哲もない人生をすごしていた。
朝起きて、飯を食って、出社して、帰宅して、飯を食って寝る。ただこれだけの日常を過ごしていた。
仕事は完璧にこなし、毎日定時退社。そこそこいい会社に勤め、金銭的にも困ってはいなかった。
しかし、いつも考えていることがある。『恋をしてみたい。』生きる事だけに目を向け、気づけば40才。青い春とかいて青春なんて、夢のまた夢だ。
身長が高く、容姿にも恵まれ、気遣いができ、面倒みもいい人が理想だ。そんな完璧人間どこにもいないでしょ。とか思う人もいるだろう。別に、ただの理想だから。
まぁ、そんな私は、『普通』の日々を過ごしていた。
そう。今までは。
ある日普通に歩いていると、信号無視のトラックに轢かれた。
[あぁ、これで終わりか。なんの代わりもない人生だったな…やり直せるとしたら、恋でもしたのだろうか…]と思いながら、意識がとうのいていく。走馬灯も『普通』だ。悪いことも、特別いい事もない。私は、そんな人生でよかったのだ。そう、よかったのだ。嫌なことなどない。無かったはずだ。
[私、やっぱり恋がしたい。]
そう強く思った。完璧な人生だと思っていたが、1つや2つ欠けることはある。
あ、そういえば、兄がこの〇ばや、リ〇ロとか、転生ものを見ていたな…
私もこんなことがあったらなぁ。
死ぬ間際だからか、いつもは思わないことを考えていた。
…死にたくない
今頃強く思ったって何も無いことはしっていた。しかし、死にたくなかった。
…
。
?
目が覚めた。ここは天国だろうか?
違う。
!?何だこの汚い部屋は。
体が重い…熱だろうか…
気分は悪くない。
とりあえず…鏡…
…
…
…
誰。こいつ?
とても太っていて、…ブスで、…
私じゃない…、?
これは、『転生なのか…?』
窓から外を見てみると、日本と変わり無かった。
転生はしたけど、異世界系では無いのかな…?
とりあえず、個人情報。スマホは運良くつく。年齢は17才。無職、LINEは、公式だけか。
意外と若いんだな。
とりあえずこの汚い部屋を掃除してっと。
ふぅ。まぁいいだろう。散らかっていたゴミは全て捨てて、床に落ちていた…ラノベ…?を、押し入れに閉まった。自分が読む系の本は置いていなかった。1冊も。
しかし、何だこのパソコンは。
部屋の全てがやすそうに見える中、パソコンだけはスペックが高そうだった。
開いてみるとあらびっくり、なんとエロゲーの途中じゃないか。更に最中。
いかんいかん。まずは、タブをとじてっと。
?知らないアプリで埋めつくされえている。とりあえず全部消しておこう。このPCは使えそうだ。
1回部屋の外に出てみるか…
ドアを開け、リビングに行った。
廊下と階段があり、廊下の最中には、トイレ、風呂、寝室、誰かの部屋らしきものがあった。
兄弟でもいるのかな?
と思いながら階段を降りると、
可愛らしく、小悪魔的な女の子がいた。
[ちょっとお姉ちゃん!そんな汚いのにリビングに来ないでよ!]
???
[君は…?]
[はぁ!?あんたっ…流石に愛する妹を忘れるなんて…っ!]
ごめんよ妹さん。
[…西野カナよっ。]
カナさん。この子は私の妹か。
[カナ!ごめん私の名前、教えて貰っていい?]
[流石に自分の名前まで忘れるなんでどうしたの…?]
[…あんたは、西野真冬よ]
[ありがとう。]
[なによ。今日はやけに素直じゃない。2週間も部屋から出なくて、学校にも行かず、バイトもしないニートの癖に…]
元の人間はこんなにもクズだったのか…
[カナ。]
[なによ。]
[私。更生する。今からでも遅くない気がするんだ。]
前世では出来なかったことを今するんだ…!
[あっそう。]
意外と反応は薄いんだな。
[それ以上話しかけないで。ニートが移る]
急に毒舌だな。
[わかった。ありがとうカナ]
[気安く話しかけないで。]
[うん。部屋に戻るよ]
私は部屋に戻り、これからどうするか考えた。
…まずは、体型からだな。さっき体重計に乗ったら120kgぐらいだったな。前世の倍だ。よく歩けたと思うぐらいだ。
紙とペンを用意して、ルーティーンを描き始めよう。まずは
毎日6時半に起き、30分程ジョギングをした後、バランスの良い朝食。そのあとは。勉強でいっか。
と、いかんいかんこれでは前世と変わらないじゃないか。
学校。痩せたら行ってみるか。
これからは、大変になるぞ…!
そう思いながらも、第2の人生を楽しんでいた。
ーーーカナ視点ーーー
なによ…お姉ちゃんの奴、
今日はやけに真面目で。名前も忘れて。
まるで別人の、魂が入ったみたい。
お姉ちゃん…
前みたいに、遊んでくれるかな…
私の家は、お姉ちゃんが6才。私が3才の時、離婚した。
お母さんが私たちを引き取ったけど、2年後に信号無視のバイクに轢かれこの世を去った。
その日からは毎日お姉ちゃんが私の面倒を見始めた。
最初は不器用だったけど、日に日にお姉ちゃんに色々任せれるようになった。
一緒に勉強して、一緒に遊んで、一緒にご飯を食べていた。
あ母さんが居なくて心配で、つらくて、寂しくて、怖かった、
そんな不安をお姉ちゃんは消し去ってくれた。
私の中でお姉ちゃんはヒーローなのだ。
なのに、15才になった所だろうか。
部屋にこもり、ゲームしかしなくなった。
家事は全て私に押し付け、
私の面倒を見ていた時に溜まったストレスを一気に発散しているようにも見えた。
私はこれが現実だと受け入れられず、泣き崩れて、メンタルが持たなかった。
自殺をしかけた時もあったけど、
恩返しだと思い、2年間すごしていた。
しかし、私が頑張ったご褒美だろうか。
急にお姉ちゃんが更生すると言い出した。
これ以上の幸せがあるのだろうか。
また一緒に勉強ができ、一緒に遊び、ご飯を食べれる。
嬉しい…!
これからは、毎日が天国だ…!