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第八話 「誕生日・後編」



 愛美ちゃんのホールケーキ食いによって、

 大食い女王としての才覚を、わからせたれた俺は、


 愛美ちゃんの満足そうな顔を見ていた。


 

 (*´Д`*)


 かわよぉ〜


 なにこの可愛い生き物…。


 ケーキを対価に、この顔を拝めるなら、ケーキを無限♾

にあげられるよ。


 


 ケーキは食べれなかったが、愛美ちゃんの満たされた顔を見れたので全然OKなアラタだった。


 ただ、愛美ちゃんがこのままだと大物(デブ)まっしぐらなので、運動や食べる量を調整する必要が出てきた。


(でも、不思議なのが愛美ちゃんは乳児の頃から大量のミルクを飲んでいるが、全然太らないんだよなぁ……)


 普通、あんだけ飲んでたら、ぶくぶく太っていくはずなんだけど……。


 あれかな、

 基礎代謝が高いのかな。


 たまーに、いる太りにくい体質の人と同じだ。


 寝てるだけで勝手にエネルギーを消費するので、脂肪がつかないのだ。


 もしくは、食べても一瞬で出してしまうかだな。


 大食いの人が太らないのもコレが理由だ。


 愛美ちゃんは大食い女王だけど、食事の後はすぐ寝ている。

 トイレには、あんまり行かないんだよな。


 だから、後者ではなく、前者が愛美ちゃんが太りにくい理由の可能性が高いだろう。


 ま、どちらにせよ。

 太りにくいから、運動や食事管理をしなくて良い理由にはならないからな。


 そこは、俺がある程度は管理して、大きくなったタイミングで愛美ちゃんに自己管理して貰おう。


 そんなことを考えていると、







 誕生日パーティーは、終盤を迎えていた。



 さあ、待ちに待った、プレゼントだ!


 本日のメインといっても過言ではないだろう。


 大半の子が、誕生日といって喜ぶ理由は、ケーキと誕プレの二つだ。


 もちろん、誕生日プレゼントを貰うのが単純に嬉しいのもあるが、俺が楽しみにしているのには別の理由がある。


 それは、プレゼントの中身を見ながらでも話そう。



 みんながそれぞれ、手にプレゼントを持っている。


 計7個の誕プレ箱がある。


 いやー、楽しみだなー。


 ま、中身は俺がリクエストしまくったのでわかっているが。

 それでも、プレゼントは開けるまでが楽しいものだ。


 

 最初は、愛美ちゃんからだ。


 愛美ちゃんだけには、何が欲しいとかは言ってないので、ドキドキするな。


 なにが、くるかなー。


 手作りの何かかな。 それか、お手紙かな。


 お手紙なら、泣いてしまうなー。


 

 愛美ちゃんから貰えるものなら、一生ものの宝物だ。


 

 ドキドキ、


 ドキドキ、


 

 愛美ちゃんが、ラッピングされた袋を持って来た。


 それを、俺は受け取り「開けても良い?」と確認をとる。


 コクリと、愛美ちゃんが頷くのを見て、


 俺は、袋から中身を出した。


 中に入っていたのは………。



 

 ――本だった。




 ハッ、


 本の表紙を見て、気づいた。


 

 コレは、愛美ちゃんのお気に入りの本!


 絵本が好きな愛美ちゃんが、最も好きな絵本だ。


 愛美ちゃんが、その本を持ってウチに来るのを何度も見ている。


 愛美ちゃんなりに考えたのだろう。


 俺が何が欲しいかは、わからない。

 

 だから、自分が最も好きなものをあげよう、と。


 

 それに気づくと、嬉しさがグーッと上がってきた。


 嬉しさが爆破したせいで、目尻が赤くなる。


 

「ありがとう……大切にするね……」


 コクリ、と愛美ちゃんがいつものように頷くが。


 俺は気づいていた。


 愛美ちゃんがいつもより、嬉しさそうな顔をしていることに………。


 

 パシャパシャ、と横から写真を撮る音が聞こえるが、俺は「聞こえない、聞こえない」と無視していた。


 はぁはぁ、パシャパシャ、と母さんの吐く息がうるさい。


 ∑(゜Д゜)


 よく見てみると、父さんも参加していた。


 そんだった、父さんも母さんと同じ親バカだった。

 

 親バカっていうか――親変態だった。



 そう言えば、父さんも撮影会に参加してたな……(遠い目)





 両親の意外すぎる一面なんて見たくなかった……。


 かなしいっすわ………。





 とりあえず、次いこ次。


 次のプレゼントは、父さんと母さんだ。


 プレゼントの中身は――


 

 パソコンだ。



 親バカ――いや、親変態な父さんにねだったら一発だった。

 色々理由を考えてきただけに、正直拍子抜けだった。


 俺は、父さんと母さんが心配になった。


 親バカたちは、どこまで行くのだろうか。


 俺としては、今後の計画を円滑に進むため良いのが、もし俺が本当の二歳児で「車がほしいなど」と言ったら、どうするつもりなのだろうか。


 この様子を見ると、買い与えそうだな……。


 母さんも父さんも、重症だからな。


 現代医療でも、未来の医療でも対処できない難病だ。


 

 そんな心配はさて置き、


 なぜ、パソコンを俺がねだったかというと


 アリシアの復活のためだ。


 アリシアは元々、俺の脳内コンピュータだったが、今は脳が未発達のため活動することはできていない。


 しかし、依代があれば、どうだろうか。


 ただ、これの問題は、アリシアのデータを思い出せないということだ。


 アリシアが多分、ロックをかけているだろう。


 大量のデータを思い出そうとすれば、俺の脳は焼き切れてしまう。

 そのため、徐々に思い出す必要があるのだ。


 それは、アリシアもわかっているようで、俺に少しずつ記憶を還元している。


 だから、アリシアが戻した記憶を頼りに、材料を集めている。

 パソコンもそのための材料の一つだ。


  

 アリシアが戻ってこないと、計画を立てるのも一苦労だ。

 もし、前世で立てた計画を進めるにしても、アリシアの存在は必須だ。




 だから、俺はこうして、アリシアの復活を推し進めている。



 母さんと父さんは、高性能なパソコンを買ってくれたので、アリシアも少し早くに復活できそうだ。


 俺が、喜んでいるのを見て、父さんも母さんも嬉しそうだった。


 

 父さんと母さんの次は、綾香さんと利憲さんだった。


 プレゼントの中身は、


 純銅だ。 


 純銅を30キロ。


 これも、アリシア復活のためだ。


 一応、わぁーい、と喜んでおく。

 二人には笑いが、演技だ。


 もちろん、嬉しいのだが、子供の無邪気な顔を見たいだろうからな。


 二人とも俺の演技に騙されて、微笑んでいた。


 俺の演技も中々のものだ……。


 俺は、短く「ありがとうございます」と言い、感謝を伝えた。 



 最後は、愛美ちゃんのおばあちゃんとおじいちゃんだ。


 誕生日プレゼントは、



 工具セットだ。


 これも、あらかじめ頼んでいた。


 もちろん、アリシア誕生のためだ。


 後々、必要になるので早めに手に入れといた。


 再び、俺は演技をし、喜んでいる風を装った。

 わー、嬉しいー、と。



 愛美ちゃんのおばあちゃんとおじいちゃんは、俺の演技を見て、嬉しそうに微笑んでいた。



(俺、子役やれるかもしれない……。

 いやー、自分の才能が恐ろしいですわー)


 そんな事を心の中で呟き、ニヤつく俺。


 ニンマリと笑っていると、みんなも、ふふっと笑っていた。


 一方で、

 愛美ちゃんは、俺に自身があげた本を読んでいた。


 うん、そうだよね。

 他の子が、プレゼント貰ってるのとか、つまんないもんね……。 わかるよ、その気持ち……。


 俺に、プレゼントを渡し終えた大人たちは、パーティーの片付けをしている。


 愛美ちゃんが、本を真剣にじっと読むのを見ながら、

 俺は、来月の愛美ちゃんの誕生日プレゼントについて考えていた。


 愛美ちゃんは、やっぱり本が好きだから、単純にいくなら本なんだよなぁ。


 本なら、好みもわかっているので、ある程度喜んでくれるだろう。


 だが、俺は、


 愛美ちゃんが、嬉し泣きするくらい喜ぶのが見たいんだ!!


 今日の俺みたいに、わーい、とか演技されたら、


 俺が泣く! 泣ける自信しかない!


 俺は、確信を持って言う。


 では、どうするか。


 俺が今まで、愛美ちゃんと一緒にいてわかっているのは「愛美ちゃんは、未知のものが好き」ということだ。


 初めてのこと、自分が知らないことに人一倍敏感で、いつも興味深々だ。


 ただ、これにも問題はある。


 興味深々なだけあって、しょーもない事だとわかった瞬間に、興味が失せたのが手に取るようにわかる。


 だいぶ、露骨に。


 そんなの食らったら、身体も心も持たない。

 即死攻撃に等しい。


 だから、ある一種の賭けだ。


 愛美ちゃんが、まだ知らないもの、かつ喜んでもらえるもの。


 もちろん、候補はいくつかある。

 その中でも、有力なのが、


 お菓子(スイーツ)だ。


 今日、愛美ちゃんを見ていて、わからされた。

 愛美ちゃんは、スイーツ好きだと。

 

 しかし、これも大きな問題を抱えている。


 それが、被る問題。


 大問題すぎる。

 プレゼントで1番やっちゃいけないヤツだ。

 

 後に出した方は、微妙に嬉しくなさそうな顔をされる。

 俺にとっては、即死攻撃だ。


 命に関わってくる。


 だからと、言って先に出す訳にもいかない。

 多分、綾香さんと母さんがケーキを出すだろうから、綾香さんには、そんな顔を見せたくはない。


 なので、最も有力ながら、お菓子(スイーツ)は却下だ。



 本も微妙、お菓子もダメ。


 そうなってくると、だいぶ絞られてしまう。



 んー、どれも結局、無難に終わる気がする。


 愛美ちゃんが大喜びしている想像(ビジョン)が見えない。


 残り一ヶ月の間で、探し当たるしかないな。


 

 愛美ちゃんを見つめながら、そんな事を考えていると。


 愛美ちゃんが本を読み終えたようで、俺に本を渡してくる。


「ん……」

「ありがと、愛美ちゃん」


 そう言って、本を読んでいると、


 愛美ちゃんが横でソワソワとしている。


 俺は、愛美ちゃんが何を考えているのか瞬時に理解した。

 

 わかるよ、愛美ちゃん。

 自分が好きなものを、相手も好きかわからない不安、半分。

 人がやってるのとかを見ると、自分もやりたくなってくるヤツ、半分って感じだね。


 すぐに、愛美ちゃんの気持ちを察した俺は、愛美ちゃんに声をかける。


「愛美ちゃん、面白いね、この本。

 一人で読んでるより、二人で読んだ方が楽しそうだから、愛美ちゃんも、一緒に読まない?」

 

 短く、愛美ちゃんがわかりやすいように俺は伝える。


 愛美ちゃんは「ん……」と頷くながら同意する。

 

 俺は、読みやすいように、テーブルの椅子からソファーに移動する。


 俺は、俺が座っている横をポンポンと叩き、横に座ることを促す。


 テテテ、と愛美ちゃんが近づいてきて、


 ボスッと、愛美ちゃんが俺の膝の上に座ってきた。


 あー、そこかぁー、と俺は嬉しくなりつつも困っていた。


 そこに座られると、本が読めないんだけどなぁー。


 愛美ちゃんと俺は、体の大きさが同じくらいなので、膝に座られると、前が愛美ちゃんの背中でいっぱいになってしまうのだ。


 俺は、愛美ちゃんの脇の間に、腕を通し、本を広げる。


 俺は、ブックスタンドだ。


 俺が本を広げ、愛美ちゃんがページをめくる。


 本は読めないが、愛美ちゃんが嬉しそうなので、それでも別に良い。


 感想を求められたら、どうしよ……。


 そんときは、正直に言うしかないな。


 とりあえず、今は本を広げることに集中しよう。


 完全にブックスタンドと化すアラタであった。











 その日は、ブックスタンドを終え、家に帰った。


 家に帰って、いつも通り歯磨きとお風呂に入って寝た。


 今日は、良い夢が見れそうだ。


 

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