第二話 「暇です」
タイムワープの設定などが
分かりにくいので「説明してるな」ってところは
読み飛ばしても大丈夫です!
読みにくくてすみません!
なるべく、分かりやすいようにしたつもりですが、逆に読みにくくなってる?気がするので………。
後々の話には、あまり関係しません。
ガンガン読み飛ばしてください。
設定の矛盾もありますし、ご都合「魔力ww」があります。
要らないと思う方は、次へ、をタップ。
父さんの「パパだよ」発言から、数日が経った。
この数日は、過去に戻れたことが嬉しいかったのと
死んだ両親に会えたことで
涙が止まらなかった。
もちろん、嬉し涙だ。
母さんと父さんの姿が見えるたびに泣いていたら、二人とも少し悲しそうな顔してたな。
悪いことをしてしまった。
なるべく、笑うようにしないとな。
◾️
俺は、逆行転生した。
タイムワープ――いや、逆行転生。
前世での絶対に成し遂げなければならない目標だった。
脳が未成熟なせいか、若干の記憶障害のようなものはあるが、
それでも、忘れられないこと。
忘れてはいけないこと。
魂に刻み込んだこと。
前世では、俺の開発した魔法で多くの人が亡くなった。
全て俺の実力不足であった。
俺がもっと強かったら――。
俺がもっと賢かったら――。
何十回、何百回とそう思っただろうか。
そして今現在――俺は赤ちゃんに戻り、やり直しが出来る状態である。
過去に戻った俺は全てを救うことが出来る。
何度も何度も、幾度なく後悔したことを俺はやり直せるのだ。
二度とあんな世界にしないために……。
――全てを救おう、絶対に。
◾️
父の「パパだよ」発言から、さらに数週間の月日が流れた。
ここ数週間は、やることがなくてクソ暇なので、ずっと独り言を呟いていた。
それくらいしか、やる事がないのだ。
もちろん、俺も最初の一週間はルンルンで暇というより幸せだったよ。
次の一週間も、母さんが家事で失敗しているのを眺めて「おっちょこちょいだなぁ」って笑ってたよ。
でも、何週間も、それを見させられてみろ。
何も感じなくなってくんだよな。
母さんの家事を見ていても、もう何も思わない。
外部の情報から脳が刺激されないので、俺は自分で自分を刺激するのにした。(他意はない)
そして、今日も今日とて俺は独り言を極める。
(※独り言中)
どうやら俺は逆行転生したらしい。
前世では、タイムワープしようと頑張っていたが、逆行転生してしまうとは思いもしなかったな。
あ、そうだ。 ここで「逆行転生とタイムワープの違い」について話とこう。
どちらも似ているので、よく同じものとして扱われるが、厳密に言うと少し違う。
まず、逆行転生とタイムワープの違いは、「過去だけか未来と過去か」そして「肉体が伴うか伴わないか」だ。
逆行転生は、過去限定かつ精神だけが時間を逆行する。
一方で、
タイムワープは、過去未来関係なく、精神と肉体セットで時間を逆行できる。
例えとして、ドラ◯もんで考えてみよう。
ドラ◯もんのタイムマシーンで未来や過去に行くのが、タイムワープ。
ドラ◯もんのタイムマシーンで過去に行って、トッカエバー(人格を入れ替えるひみつ道具)で昔の自分と人格を入れ替えるのが、逆行転生。
実際は人格を取り替えているのではなく、融合と言った方が意味的には近いのだが、混乱する場合は無視した方が良い。
なんて、わかりやすい説明!!
そんなこと〜、あるんですけどね〜〜ドヤドヤ(*^ω^*)
(三文芝居)
タイムワープと逆行転生の違いがわかったところで、話を戻すが。
俺は、逆行転生した。
そう言ったな、あれは……嘘だ。
なな、なんだってぇーー!
(三文芝居、延長中……)
正確に言うなら、半分ウソだ。
父さんの「パパだよ」発言のときは、直感的に逆行転生した、と気付いたが、
論理的に考えて、本当にそうだろうか。
見落としは、ないだろうか。
自問自答の末に、俺は一つ、見落としがあったことを思い出す。
それは――
――この世界が、現実か仮想かだ。
仮想世界である可能性は少なからず、ある。
俺が死ぬ直前の世界は、今から数世紀は経っているので、リアルな仮想世界を作ろうと思えば、時間はかかるが、できる。
可能性はある。
しかし、やる意味がない。
未来(前世)では、魔法が発達しているため、
記憶や研究が欲しいなら、魔法で俺の記憶を取ればいい。
軍の犬として使いたいなら、洗脳、催眠魔法を使えばいい。
わざわざ、仮想世界なんか創る必要はない。
だが、それは仮想を否定する直接の根拠にはならない。
仮想を否定する直接の根拠は、現段階では得ることは、できないだろう。
なら、諦めるのか――。
否。
諦めずとも、仮想か現実かを判断する方法がある。
それは――詳細の確認だ。
つまり、仮想世界の荒を探すってことだ。
未来で、もちろん仮想現実の技術も発展してはいたが、それでも詳細の再現は不可能だった。
例えば、本。
本は、一つの書店に何百冊もあり、その内容は多岐に渡る。しかも、今回はその時代にありそうなものを、という条件付きで、再現しなければならない。
他には、人。
人は、一人一人の性格があり、それは複雑である。人工知能の技術も、だいぶ発展してきたが、それでもアリシアのような感じのが量産されるだけだ。人を人工知能で再現すると、どうしても違和感が生まれる。
つまり、そこに穴ができる――。
もしも、仮想世界なら、そこを突けばいい。
それは、仮想現実を確信にもたらす根拠となる。
本当は、仮想世界ではあって欲しくないけどな。
そして、最後に考えなければならないのが、
これら全てが俺の思考を誘導するためのブラフの可能性。
例え、そうだったとしても――
無問題だ。
なぜなら、俺は一人じゃないから(今は一人)。
もう少ししたら、脳の発達が終わる。
そうしたら、俺の脳内情報からアリシアの情報を引っ張り出す。
すると、アリシアの完成だ。
まあ、これは、もう少し後の話(あと、四、五年後)なので、また別の機会に語ろう。
だが、アリシアが出すことができない。
もしくは、出してもアリシアの様子が普段と違う、などの問題が起こった場合は、この世界は仮想の可能性がグッと高くなる。
俺を追っていた奴らは、俺にアリシアを手に入れられることを望まないからな。 なんとしても止めにくるだろう。
もし、アリシアを出しても対処可能と判断されたら、それも良し。
逆に、出せなくても良し。
結局、どっちに転んでも、仮想か現実かが確定する。
ま、要するに、
この世界は仮想世界ではなく、現実ということ、だ。
厳密に言うと、そう考えて差し支えがないので、そのように考える。
このことから、俺の今後の行動は決まった。
本を読み、人と話をする、だ。
まあ、これはもう少し体が発達しないと出来ないから今すぐやることではない。
今すぐ、やるべきことは、よく寝る、よく食べる、だ。
とっとと、成長してハイハイが出来るようになったら、本を探し出して読もう。
眠くなってきたので、失礼しよう。
(_ _).。o○
こうして、アラタの独り言が今日も終わる。
アラタの独り言は、これからも続くだろう。
◾️
唐突だが、数週間が経った今、俺が新たに出来るようになったことの数を発表する。
――ゼロだ。
0、零、ゼロ、〇、無だ。
まぁ、強いていうなら、思考時間が20分程度、延びたくらいだな。
暇な時間が増えただけだ。
赤ちゃんの生活は、食う寝るう〇ちで構成されている。
暇にならないわけがない。
病院に入院したことのある人なら、わかるだろう。
時間がゆっくり進んでいるのが分かる。
もっと先の計画でも考えろって?
その通りだ。
だが、もう未来(前世)で立てた。
前世での計画は、俺の前世での体がある前提で立てた計画なので、体が成長し、魔導演算器の確保と、脳内コンピュータであり人工知能のアリシアが復活してからしか、成立しない。
そして、もう魔導演算器を確保する計画は立てた。
だから最近は、暇すぎて1人語りをずっとしてる。
暇だ……。
赤ちゃんは、出来ることが少ない。
数週間ごときでは、体はそこまで成長しないためだ。
視界もボヤけたままだし、首も座っていないので、体を動かすこともままならない。
出来ることは、ご飯とオムツ交換をして欲しいときに、泣き声をあげるか、母乳を吸うくらいだ。
ちなみに、最近は哺乳瓶にして貰っているので、気兼ねなく吸えている。
哺乳瓶は、最高だ……。
何が最高か、教えてやろうか…フシューフシュー(狂気)
……………残念ながら、時間切れだ……。
ぐー、ぐー……(( _ _ ))..zzzZZ
赤ちゃんは、とにかく寝るので、長時間の思考は無理――。
そう言い、眠りにつくアラタでたあった。
◾️
翌日。
目が覚めると同時に、泣き声ともうめき声とも呼ばぬ声を上げる。
そして、新しいオムツと哺乳瓶を貰った。
普段なら、すぐ眠くなってくるのだが、今日はだいぶ寝たせいか眠くならない。
ひまひまタイムの到来だ。
要するに、つらいってこと。
俺の目は、死んだ魚のようになっている。
暇な毎日を過ごすたびに、目は死んでいく。
暇を嘆いても、仕方ないか、と俺はため息つき、心の中で呟く。
(仕方ない、何か語るか)
一人語りをしようとするアラタ。
ここ最近の俺の暇つぶしと、脳の発達を促進させるためのルーティーンだ。
何について語るか悩み、答えを出したアラタ。
(今日は、タイムワープについてでも語るか……)
アラタは、語る内容を決めた。
よし、語るか。
――さぁ、一人語りの始まりだ。
タイムワープとは、何か、語る前に、
時間とは何かについてかんがえなくてはならない。
「時間とはなんだろうか?」
時計が動いていること。
天気が変わること。
お茶が冷めること。
地球が太陽の周りを一周すること。
地球自身が一周回ること。
否。
全て、違う。
時間とは、我々の脳が見せている幻覚にすぎない。
24時間とは、我々が地球が一回転することだ。
一年とは、地球が太陽の周りを一周することだ。
つまり、人間が便利だか勝手につけたもの。
だから、ISS(国際宇宙センター)の一日は、90分だ。
そして、
時間の矢印は、一方方向ではない。
納得はできないだろう。
時間が経つにつれ、冷めず熱くなっていくお湯。
リンゴは、地面に落ちたら一人でに木に戻り、実った状態にはならない。
不可逆的。
そう、感じるだろう。
――しかし、それもまた幻覚にすぎない。
では、我々が、実際に感じる「時間」とは何か。
それは、
エントロピーの増大である。
エントロピーとは、乱雑さのことだ。
つまり、エントロピーの増大は、簡単に言うと乱雑がひどくなることを指す。
例えば、コーヒーとミルクがここにあるとしよう。
そして、あなたはコーヒーとミルクを混ぜ、コーヒーミルクを作る。
これは、エントロピーが増大したといえる。
どういう事かというと、
コーヒーとミルクという規律だったもの、言い換えれば、エントロピー(乱雑さ)が小さいもの、からコーヒーとミルクの境がないもの、つまり、エントロピー(乱雑さ)が大きいものになったということだ。
人は物事が、乱雑になる方向を時間の向きとして考える。
つまり、コーヒーとミルクが混ざり、コーヒーミルクになる方が時間が進む方向だと。
逆を考えれば、わかりやすいかもしれない。
混ぜたコーヒーミルクから、コーヒーとミルクを混ぜる前に戻すのは、不可能だろ?
また、別の例を出そう。
暑あっつ熱のお茶を置いておくと、
次第に、冷めていく。
これも、エントロピーの増大である。
さっきと同じように、逆が成り立ちそうか考えてみよう。
熱くも冷たくもないお茶を置いていると、その水はあったかくなるだろうか?
否。 ならない。
このようにして、我々は時間を感じているのだ。
そして、エントロピーは逆には成り立たない、ということは、時間は一方方向にしか進まない、と。
もちろん、コーヒーや熱いお茶は、そうだ。
だか、それは正の質量や正のエネルギーしか持たないものだからにすぎない!
質量やエネルギーは、正のものだけじゃない。
負のものもあるのだ。
その一つとして、負のエネルギーを持ち、また負のエネルギーを持つのが「魔力」だ。
負の質量。
負のエネルギー。
さっきの例で、言うならば、
負の質量のコーヒーミルクは、コーヒーとミルクに次第に分かれる。
また、冷たいお茶は、段々と熱くなっていく。
そう、エントロピーの減少を起こすのだ。
つまり、時間を逆行する。
魔力は基本性質として、時間の逆行性がある。
もちろん、これも魔力の持つ性質の一端でしかない。
これを利用することで、未来では肉片からの蘇生や、若返りを可能にした。
この話を聞くと、じゃあタイムワープなんて簡単じゃないか、と思うだろう――
が、そう簡単じゃない。
さっきの話は、あくまで一つの物質に対して起こる作用・現象だ。
タイムワープは、自身を過去の世界に飛ばすものであり、自身の時間を逆行させるものじゃない。
だから、魔力の基本性質では、タイムワープはできない。
で、だ。
本題のタイムワープについて話していこう。
今さっき言ったように、魔力ではタイムワープできない。
詰みだ。
しかし、考えてほしい。
魔力と名がついている理由を――
そう、魔力は、「魔法」を使うためのものである。
魔力が、まだ発見され、ダークエネルギーやダークマターと呼ばれていた時代。
俺は、時間の逆行性の他に、もう一つの性質を見つけていた。
それが、負のエネルギーと負の質量を掛け合わせることで観測者の意思に沿った物質やエネルギーに、変化する性質だ。
この性質を用いた現象を、俺は「魔法」と名づけた。
「無から有を生み出す技術」=「魔法」
これは、世界に激震をもたらした。
何故なら、
任意の物質やエネルギーに変化することができるのだ。
今まで、人が観測するかしないか、で性質が変わる物質は存在するが、人の意識に影響される物質・エネルギーは無かったからだ。
こうして、俺たち人類は魔法によって、正のエネルギーと大量のエネルギーを手に入れた。
これは、後に人類にとって大いなる発展と進化(魔蔵)をもたらした。
魔蔵、魔法を魔導演算器の代わりとなる臓器。2280年に初めて発見された。この器官がある人間は『新人類』と呼ばれるようになる。
(確かに、あんときは俺も死ぬほど喜んでたなぁ……。
あの頃は、不老不死になりたくてガチで、願いの叶う7つの玉集めようかと思ってたな……結局、アリシアに止められて研究してたら「魔法」確立って、改めて考えると凄い人生だったな、ほんと波瀾万丈)
一人語りしながら、思わず自身が若返った歳のことを過去を振り返り、懐かしがってしまうアラタ。
(おっと、話がズレちまった。
って、別に一人語りだし、いいか)
話がズレたことを一瞬、気にしてしまうが、自身がひとりでしゃべっていることに気づき、開き直ってしまうアラタ。
とりあえず話を戻すか、と意識をもう一度、元に戻す。
まあ、話を戻すと、
マイナス×マイナスで魔法が使えるようになった。
これで、タイムワープできる
わーい ^o^
とは、ならない。
そう、そうだよ。 いい読みしてるね。
魔法って、正のエネルギーとか物質しか生み出せないから、ここでまた詰みなんじゃね?と思った諸君。
いいよ、最高に賢いだ。
諸君の質問への回答は――
――否だ。
詰みはしない。
? が浮かんでいそうなので、説明しよう。
魔臓が出てた年、初の新人類が誕生した年。
ワープ・バブル以外のワープ方法の実験が行われた。
ワープ・バブル、正と負の歪みを宇宙船の前後に生じさせることによって、できる空間。正と負のエネルギー操作が必要となる。また宇宙空間を光速を超えた速さで飛行が可能。
時空に直接、捩れをつくり、トンネルのような穴を生成させる。このことによって、瞬間移動が可能となった。
つまり、どこで〇ドアの実験が行われた。
結果は、成功だ。
無事、時空トンネルは生成された。
これにより、どこからでも一瞬で移動することができるようになった。
このワープの方法は、
高エネルギー(正の)を狭い領域に生成し、時空の捻れ(時空トンネル)が発生する
と、いったように非常に簡単な方法だ。
そして、
その時空トンネルを、ちょちょいと(50年くらい掛けて)改造する。
そうすると、タイムワープできる――と思っていた……いや、思い込もうとしていた。
実際に改造してみたが、無理だった。
不思議と絶望はしなかった、もう結果に薄々気づいていたからだろうか。
心はすでに諦めかけていた。
それでも、
俺は、それでも諦めずに研究し続けた。
最後の力を振り絞って。
そして、新たなタイムワープ理論を完成させた。
俺が考えたタイムワープ理論は、こうだ。
魔力が、余剰次元(高次元:4次元以上のこと)にも干渉を及ぼすことの応用と自身の魔力化だ。
要するに、魔力が、タイムワープできる!じゃあ、俺が魔力になればいい!ってことだ。
意味不明だし、今考えると、少し狂ってたと思う。
正直言って、自殺行為だ。
それぐらい、50年の研究は行き詰まっていたし、俺自身追い詰められていた。
(アリシアと脳内接続してたら、絶対止められただろうな)
だから、前世では、アリシアとの脳内接続を絶っていた。
(ま、あとはタイムワープ理論を考えると、アリシアがバグり始めるからってのもあるけど……)
しかし――
不幸か幸運か、俺の魔力化理論は、上手くいってしまう。
脳の記憶、つまりニューロンという細胞間の電気信号、をデータ化する。そして、データ化した記憶を魔力に変換することができた。
もちろん、一度、魔力化すると、魂が抜けたように、脳の記憶はなくなってしまうという欠点は、あったが、俺にとっては成功だった。
(脳の記憶を魔力化すると、魂が抜けたみたいになるんだよなぁ、実際に自分で試してみたら、びっくり、肉体から強制的に剥がされてさ、、あれは、死ぬかと思ったなぁ。
まぁ、何故か自力で肉体に戻れたから良かったけど、、
実際に、魂があるとするなら、魔力化された記憶だろうな)
とりあえず、
この成功によって、俺は、この魔力化理論を進めることとなる。
記憶の魔力化に成功した俺は、次に、肉体の魔力化を目指した。
しかし、どれだけ考えようとも、
どれだけ考えても、
どれだけ考えても、
どれだけ考えても、
正の物質を、負の物質には、できなかった……。
(大体、50年くらいは研究してたかな。
で、最終的に理論も完成しないまま、死んだんだよな)
そう、俺はタイムワープ理論を完成させないまま死んだ。
魔力化された記憶(魂とアラタは呼んでいる)を過去に飛ばす魔法しか、完成しないまま、宇宙艦隊にぶつかって死亡した時のことを、アラタは思い出す。
(そういやぁ、アリシアには嘘ついちまったな)
前世では、アリシアに完成した、と咄嗟に嘘をついてしまったアラタ。
そして、それに気づいて何も言わないでくれたアリシア。
(あと、アリシアには感謝しなきゃな。
多分、アリシアが宇宙艦隊に突っ込む前に、俺の記憶の魔力化と魔力化した記憶《魂》を過去に飛ばしてくれたっぽいし)
アラタの脳内コンピュータであり、人工知能でもあるアリシアは、脱出ポッドが宇宙艦隊に追突する前に、アラタの魂を過去に飛ばしていたのだ。
アリシアにとっても一種の賭けだったであろう。
自身の主人を守り、主人の願いを叶えるべく、
アリシアは、主人の努力の結晶に、賭けたのだ。
(脳がある程度、成長しきるのが、大体6歳だろ?
ってことは、あと5年かぁ。 長いな。
早く、アリシアに会って、謝罪と感謝の念を伝えたいな)
自身の命の恩人であり、自身を信じ想いも紡いでくれたコンピュータに謝罪と感謝の念を伝えねば、と心の中でアラタは呟く。
自身の脳内コンピュータに謝罪と感謝を伝えることを心に決めたアラタ。
『感謝なんて、しないでください……私は……僕は………』
何か聞こえた気がしたアラタだったが、
眠気に耐えきれず、自身の意識を、睡眠という湖に投げ込んだ――
深い眠りの底でアラタは「――アリシアなのか?」と口にする。
その言葉は、誰にも届くことはなく、アラタの記憶にすら残らず、消えてゆく――




