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植生魔法



「そう…だったんだ…それを聞いて安心したよ…」



ルナから、すでにジャックに船内で二人組の男を倒したことを伝えていると聞かされた時はどうなることかと思ったが。

彼らも一枚岩、というわけではないようだ。



「そんで?お前はもう覚醒してんのか?」


「覚醒…ですか…」


「なんだ、まだなのか?」


「あ、いえ…というか、自分は…その、何も知らなくて…」


「ああ?なんだあ、お前もかあ?」



ジャックは面倒くさそうに頭をかく。



「ルナも何も知らなかったよなあ。オイラ、また同じこと説明すんのかあ?」


「あ、そうですね、でしたら私が」



そう言うと、ルナがジャックの代わりに『覚醒』について詳しく教えてくれた。


この世界の人間は、生まれてすぐに『世界樹』という存在から、一つだけスキルが与えられるらしい。

人によって個人差はあるが、多くの者が思春期の頃に覚醒し、与えられたスキルを使えるようになるのだという。



「スキル…」


「この世界では、恩寵とも呼ばれているらしいです。世界樹からの恵み、恩寵…。先ほども話しましたが、私のスキルはこれ…」



ルナはふよふよと浮かぶ水の玉を指差す。



「そっか、ルナはもう覚醒して…。あ、じゃあもしかしてジャックも?」


「ん?ああ、もちろんオイラも覚醒済みだ。オイラのスキルは…」



そう言ってジャックは立ち上がると、そばに生えていた木を抱き抱え、踏ん張り始めた。



「ふんっぬぬぬぬぬうっ!どりゃあっっ!!」



するとなんと、ジャックは抱えていた木を根っこごと引き抜き、放り投げたのだ。



「おわっ!す、すげえ…」


「オイラのスキルは肉体強化だ。リストにも載ってる、よくある強化系スキルだべよ」


「リスト?」



初めて聞いた言葉なのか、ルナが尋ねる。



「リストってのは、この世界に存在しているスキルを頭の良い人達がまとめたものだあ。オイラも詳しいことは知らねえべさ」


「へえ…。あ!そっか、じゃああの時…」



自分は、二人目の男を急襲した時のことを思い出していた。

その男は、振り下ろされた刃を腕で止めていた。

おそらくあれもなんらかのスキルを使っていたのだろう。



(そう考えると、運が良かったとはいえ、俺たちよくあの二人に…)


「それで?ユウはどんなスキルを使うんだ?」



ジャックはよほど俺のスキルが気になるらしい。

この世界ではそういうものなのだろうか。



「んー、どうなんだろう…。スキルに心当たりがない…わけじゃないんだけど」


「やっぱり、あれですよね」


「うーん、多分ね」


「なんだあなんだあ!もったいぶってねえでオイラにも教えてくれ!」



せがむジャックに事情を説明する。



「ほお?男の体が全身植物まみれに?」


「うん。その時は自覚がなかったんだけど、今の話を聞く限りでは、多分あれが自分のスキルなんじゃないかなと…」


「ほーん、植物かあ。そりゃあ珍しいなあ」


「え?そうなの?」


「うんだあ。少なくともオイラの故郷に植生魔法を使えるやつはいなかっただあ」


「植生魔法…それが自分のスキル…。珍しいってことは、もしかして強力なスキルだったり…?」


「植生魔法が?ンガッハッハっ!それはないわなあ!確かに珍しいスキルだが、たしかただの生活スキルだったと思うぞ?」


「生活スキル?」


「んだあ。スキルも大きくいくつかに分けられててなあ。生活スキルに戦闘スキル。あとはー…ありゃ?なんだっけ?まあとにかく、植生魔法がつええって話は聞いたことねえなあ!」


「な、なんだー。ちょっとがっかり」


「でも…」



俺たちの話を聞いていたルナが口をひらく。

読んでいただきありがとうございます!

次話もお楽しみに!

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