番外編 グレッグの妄想理論セラピー
※グレッグの独自理論です。事実とは異なります
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ソフィアの部屋にて
グレッグとソフィアは並んでソファーに腰掛けている。
「ソフィア、タッピングセラピーを知っているか?」
「タッピングセラピーですか?
いいえ、聞いたことがありません……
それはどういったセラピーなのでしょうか?」
「タッピングセラピーとは、感情や感覚をつかさどる経路を、タッピングすることで、扁桃体を落ち着かせるのだ。
つらい記憶や、心理的ストレスを緩和する効果がある。
それでだな…ソフィア。
私は、タッピングセラピーの心得がある。
試させてもらえるか?
ソフィアのつらい記憶を、忘れさせたい
のだ。
傷ついた心を、私に癒させてほしい。
ソフィアはただ黙って、身を任せてくれた
らいいから。」
「グレッグさまは、博識なのですね。私のためにありがとうございます」
「では、オホン……最初に念を押すが、これは治療なのだ。決してやましい気持ちはない」
「分かり……ました。よ、よろしくお願いします」
「では、ソフィア始める。
途中で辞めると効果が半減する。
なので、私が終わりの合図をするまで我慢してほしい。
ソフィア、まずここに座ってもらえるか?」
グレッグは、ソファーの上で胡座を組んで座り直してソフィアを誘う
「えぇっ⁉︎ そ、そこ……でないといけないのでしょうか…」
「あぁ、これも治療の一貫なのだ」
「そ、そ、そこに……座るのですね……?」
グレッグは躊躇うソフィアの腕をとると、ぐるんと回転させながら自身の足の上に座らせる。
ソフィアを背中から抱きしめて、その肩の上に顎をのせる
「まずは、耳からだ」
「ひゃっ⁉︎ あ、あの、」
ソフィアは座っている場所も落ち着かないのに、背中に密着したグレッグの顔が急接近してきて、あわあわするばかりだ。
「ソフィア、動かないで……じっとして…」
グレッグは、ソフィアの背後から耳を軽く喰んでいく。
「動かないで」と、耳元で時折囁きながら、ゆっくりと喰んでいく。
耳、頬、首元へと順番に唇を落としつつ、喰んでいく
そして、首筋を舌でなぞると、ちゅうと勢いよく吸い付き始める
ソフィアはチクリと首筋に軽い痛みを感じて、両手でそっとグレッグを押し退けようとする
「いゃっ、グレッグ様、待って」
グレッグはソフィアの手を掴むと、ソフィアの身体ごとぎゅうっと抱きしめて拘束する
「あっ」
ソフィアは思わず喘ぐような声が漏れて、下腹部が疼くような感覚に戸惑っていた
あぁ、かわいい……
グレッグは、ソフィアの首筋に残る紅い跡を見て、己の独占欲が満たされていくのを感じていた
自身のソフィアへの愛の印を刻み込むことに成功したグレッグは、身体中に刻みつけたい衝動に駆られる
ソフィアの火照った身体を抱きしめて、己の昂る感情を落ち着けようとする
ソフィアだけでなく、自身へも言い聞かせるように説明の言葉を発する。
「ソフィア、これは治療なんだ。」
「グ、グレッグ様、あの、でも……なんか…私……変な……気分に…」
「ソフィア、それは治療の効果だ。さぁ、こっちの首も…」
「あっ」
グレッグはちゅうっと先程よりも強い力で吸い付いて、ソフィアの首を確認する
先程よりも鮮やかに残る自身の印を見て、満足気な笑みを浮かべる
ソフィアは、背中越しに伝わってくるグレッグの逞しい身体の温もりに、どぎまぎしていた
治療の一貫でタッチされているという感覚ではなく、もはや未知の感覚に溺れそうになっていた。
私の方がやましい気持ちになっている
こんな気持ちを知られたら、グレッグ様に嫌われてしまう……
「ソフィア、今度は私にも同じことをしてくれるね?」
「えっ!そ、そんなこととても……」
「私のことも癒してほしい…ソフィア」




