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傷だらけの令嬢〜逃げ出したら優しい人に助けられ、騎士様に守られてます〜  作者: 涙乃


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グレッグ様とはあれから毎週のように、一緒に護衛という名目のお出かけをしている。 最近では三日月亭にご飯を食べに来られたり、頻繁に顔を合わせるようになった。


あの手袋をしてくださっているのを見た時はとても嬉しかった。

なぜ私なんかを気にかけてくれるのかは分からないけど、深く考えないようにしている。


そして今日は週に一度のグレッグ様とのお出かけの日。


「ソフィア、行こうか。」


『はい。今日もお願いします。』


私達は街中へと歩き出す。


「ソフィア、先日は手袋をありがとう。」


『いえ』


「暖かくて気に入っている。その、良ければ、手袋のお礼をさせてくれないか?」


『えぇっ?そもそもあれは、私のお礼の気持ちですし。お礼だなんて』


「ソフィア…では言い方を変えよう。

私のお願いを聞いてくれないか?」


『お願いですか?』


「あぁ。私は、その、20になるのだが、周りがそろそろ結婚をとうるさくてな。

そもそも隊員は職業柄、適齢期過ぎても独身が多い。私もまだ結婚するつもりはない。

ただ私は兄達とは15も歳が離れているからか、独身が私だけだからか、母がうるさくてな。

私が女性と一緒にいることがないので心配らしく、候補者リストが大量に送られてくるのだ。」


『ふふ。大変そうですね』


「それで、私が誰か女性を連れて行けば少しは安心するのではないかと思い、良ければその役目をソフィア、引き受けてもらえないだろうか?」


『ええっ?私がですか?

そんな、私なんか…グレッグ様とは釣り合いませんし…そもそも身分が…』


「私は家を出て別邸に住んでいるし、隊に所属してるので身分など関係ない。

ソフィアは…その、だれか心に決めた方がいるのだろうか?」


グレッグ様が真っ直ぐに見つめて尋ねる



『いえ。そういう方は…』


「ソフィアの名誉を傷つけることはしない。私が親しくしている女性として、母に紹介してもいいだろうか?」


何の身分もない私なんかでお役に立てるとは思えないけど…。 それでも、グレッグ様と親しい女性と言われるのは嬉しい。

うーん。一緒に行くだけなら…。


『その…私では役不足かと思いますが、私で良ければ』


グレッグ様は満面の笑みを浮かべた。


「引き受けてくれるか。ありがとう。

ならばお礼をしなければな。」



『え?いえお礼だなんて。そもそもまだ何もしてませんし』


「ちょうど母にお茶会に誘われてたのだ。突然で悪いが一緒に来て欲しい。

お礼として、良ければその時に着ていく洋服を贈らせて欲しい。」


『えっと… 』


グレッグ様のお母様は侯爵家の方。洋服はルイーザさんの娘さんの服を着回しているので、確かに着ていく服がないかもしれない。


『で、ではお言葉に甘えてもいいのでしょうか』


私はグレッグ様に貴族街へと連れて行かれた。お店の方に色々とサイズを測ってもらい、必要な手続きは全てグレッグ様が行ってくれた。


店内に置いてあるドレスやワンピースはどれも綺麗で、街中に置いてあるものとは光沢が違った。店内の装飾も高級感があり、私はどうしても落ち着かず、グレッグ様が手続きが終わるまで外で待つことにした。













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