徒然ゴルフ
友人より電話で
「後輩が
ゴルフ初デビューなので
付き合ってくれw」
との誘い。
「喜んで!」
と二つ返事。
当日の朝、
緊張感丸出しの
カッちゃんとモーニング。
「今日はヨロシク
おねがいします!」
「こちらこそヨロシクw」
初デビューは
誰でも緊張するものだよ、
リラックス、
リラックスと
言い聞かせて
いざラウンド。
カッちゃん、
手が震えている♪
いいなぁ…
分かる。
初ラウンドは
誰だってそうだ。
誰もが通る道なんだよw
カッちゃんの
記念すべき
第一打目は…
ボールを打たずに
地球を打った。
いい!
非常に
いいリアクションだ。
そう、
当たらないんだわな。
自分が思ってる以上に。
頑張れ!
頑張れ!
練習場のような気持ちで!
皆んなで
カッちゃんを励ます。
独り歩きができない
子鹿を親鹿が見守る。
カツ、
頑張れ!
このサバンナには
お前を狙っている
多勢の敵がいるのだ!
その後も
カッちゃんは
当然のごとくボロボロ…
中々ボールに当たらない。
当たったとしても
真っ直ぐに飛ばない。
首を傾げ続ける
カッちゃん…
前半終了、
ランチタイムだ。
カッちゃん、
自棄酒のごとく
ビールをグイグイ。
「すいません、
迷惑掛けて…」
今にも泣き出しそうだ。
皆で
カッちゃんを
優しくフォローする。
「しかし、
皆さんお上手ですね…
僕も皆さんのように
上手くなれますかね…」
ん?
お上手?
誰が?
そうか!!
カッちゃんから見れば
我々は上手く見えるのだ!
空振りをしない事が
上手く見えるのだ!
人生の中で
初めて味わった
優越感…。
こんなにも
甘味だったのか…
間違いなく
糖尿病になる。
カッちゃん、
気を取り直して後半戦へ。
徐々に
ボールに
当たりだした
カッちゃん。
楽しそうだ♪
すっかり
元気を取り戻したw
そんな中、
迎えた
15番ショートホール
(150ヤード)。
キャディさんから
5番アイアンを
渡されたカッちゃん。
エイヤッ!
と打ったショットは
何とピン目掛けて一直線!
ピンハイ3mに
ナイスオンだ!!!
ワォ!
ティーグランド上は
お祭り騒ぎ♪
パターを
打つ前なのに
カッちゃんは
泣いている。
一人一人と
握手をしながら
感謝の言葉を
述べてるのだが
涙でグシャグシャ、
言葉にならない。
「皆ひゃん、
あひがとぅひゃくっがっ…」
初心者の涙は美しい。
カツを抱きしめ
「カツ、
うめひゃどぅ
こひゃけれど…」
我々も言葉にならない。
1人冷静な
キャディさんが
「後続組が来たので行きますよ」
キャディさん、
お仕事なのは
良く理解しております。
でもね、
このカツが
やったんですよ!
貴女も見ていたでしょ?
このカツが、
このカツが…
キャディさんが
カートのアクセルをふかす。
真顔でふかす。
慌てて乗り込む我々4人。
ゴルフ場ではキャディさんに
逆らってはいけない。
置いてけぼりにされるw
さぁ〜グリーン上。
先輩から
愛のアドバイス。
「いいか、
カツ…
下りだから
ソロ~と打てよ。」
「ハイ、
ソロ~とですね・・」
カッちゃんの
素振りはロボット化してる。
バックスイングで
ヘッドが揺れまくっている。
ソロ~と、
ソロ~と、
と呪文のように
唱えるカッちゃん。
凄まじい
緊張感の中、
意を決して、
いざ、
バーディートライ!
カスッ。
ん?
今のは音か?
当たったのか?
殆ど球は動いてない。
ソロリ過ぎた。
カツはソロリ過ぎた。
「何やってんだカツ!
ソロリにも限度があるだろ!」
そりゃそうだ。
もっともだ。
ところが、
ところが、
ところがどっこい!
カツが叫んだ!
「限度って、
わからないじゃないですか!
ソロリって言うから
ソロリと打ったんですよ!」
ほぉ〜、
これは、
これは…
予期せぬ
展開になってきたw
つい
数時間前まで
サバンナの片隅で
震えてたバンビちゃんは
何処へ?
一人一人と
握手を交わし
涙したバンビちゃんは
何処へ?
独り立ちの
瞬間であった。
おめでとう…
お前は立派な
大人になった。
これからは
自分の足で
このサバンナを
駆け抜けるんだよ…。
結局
カッちゃんは
このホール、
ワンオン
5パターの「6」。
帰り際、
「今日は楽しかったです!
ありがとうございました!
今から練習に行って来ます!
また誘って下さいw」
と言った
カッちゃんの
後姿を見ながら
私は呟いた…。
ようこそ、
地獄の一丁目へ…。
メデタシ、メデタシw