やっとこさ
お待たせしました!!
「嘘だ嘘だ嘘だ」
近くの大きな木の下で膝を抱えて座り込み、思いもよらなかった状況に頭が混乱しているエミリーは同じ言葉をずっと言い続けている。
「嘘だ嘘だ嘘だ...だって来るわけない。来るわけが...」
「嘘なんかじゃない。シロ、迎えに来たんだ。」
「本当に?」
「ああ、一緒に帰ろう。」
座り込んでいるエミリーにカイルは片腕を出す。
「...うん!」
────
───
「やっとまとまったかい?」
カイルと共にエミリーはルミエリナの家へと戻ってきた。
「お師匠様...」
「ふっ、そう落ち込んだ顔をするでない。あの扉を使えば此方に帰って来れるし妾もすぐに会いに行けるではないか。」
「う、ん。」
「うふふ、シロちゃん帰ってきて下さるのね!また一緒に住めるのね!嬉しいわ〜」
「...いや、シロは俺の部屋...いや、なんでもないです。」
「うんうん、そうであろう。まさか未婚の女性が男の部屋になど住むはずが無いであろう?」
「...」
「ん?私はユナの部屋?カイルの部屋じゃないの?」
不思議そうに首を傾げるエミリーにルミエリナがユナリアナの部屋で過ごすようにと念を押した。
「はーい!」
「カイル、ちゃんとしてからじゃからな!」
「はい...」
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