素直にならなきゃね
カイル視点となります。
一方エミリーが出て行った後のカイルは...
部屋をウロウロしていた。
「どうすれば良かったんだ...」
自分に問いかけても返事は帰って来ない。
「シロ自身も自覚してないんだ。俺だって、まだ、好きかも分からない...」
「本当にそうか?」
腕を組んでドアにもたれ掛かるジークがいた。
「ジーク...」
「なぁ、そんなに固く考えなくて良いんじゃないか?」
「...」
「お前自身どうしたいんだ?もしも、シロが俺と付き合ったらお前、喜べるか?俺じゃなくても...そうだな。隊長やユリウス、他の街のやつら、もしかしたら、猫としてオス猫とってなるかもしれないが、自分以外の誰かと一緒にいるシロの見てられるのか?」
「...他の、やつと...」
俺は喜べる、のか?...シロが幸せなら喜べるはずだ。...シロが幸せ、なら...
「シロが幸せだと言うなら...」
「はぁ、そんな顔をして良くそんな事を言えるな。」
「そんな顔?」
「鏡見てみろよ。」
洗面台にある唯一の鏡を見てみると情けない顔をした自分の姿が写っていた。
「素直になれよな〜」
バンと強めに背中をジークに叩かれる。
「...俺、シロが他の奴の隣で笑顔でいると...」
「それが答えだろ」
「シロを迎えに行ってこい」とジークに背中を押されて俺は自分の頬を叩き、寝ていたであろうディートに謝り、シロがいる森の家へと向かった。
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