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月下の白猫  作者: nekomaru
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失ってから人は気付くと言いますが

 


「お〜シロ帰って来たんだな!」

「シロ、無事で良かった。」

「もういなくなったりするなよ?」

「まっ、また可愛いシロが誘拐されても俺達が助ければ良いだけだよな!」


 エミリーがカイルとジークと共に帰ってくると騎士の皆は嬉しそうにエミリーへと駆け寄り喜んだ。


 カイルの妹であるユナリアナも一緒に来て隊長に女騎士になると直談判するとすんなりと受け入れられた。


 ただ、王女であるということは、騎士の皆には一応秘密にするらしいが、一部の騎士には何となくバレているらしい。


 エミリーはというと、お師匠様であるルミエリナにケット・シーの生き残りであるエミリーはほんの少しだけ魔力があるらしくその魔力で自分が好きな時に猫になれるように使い方を教わった。

 その為、ルミエリナの住む森にエミリーとして帰ったり、シロとなり騎士の皆と接したり街へ出掛けたりもした。

 シロでいた時とほぼ変わらない生活をしていたが、変わったことと言えば寝る場所が女騎士専用の寮を国王がそれぞれの騎士団に作る事を宣言した為、ユナリアナ専用の部屋が出来た。なのでエミリーはそこで寝起きしている。


 シロの姿のままならカイルの部屋でとエミリーは言ったのだが、もう満月限定とはいかなくなったので皆が心配してシロの姿であっても同性であるユナリアナの部屋で!ということになったのだ。


「うーん、なんか変な感じ」


「シロちゃんは、カイル兄様の部屋が良いんですの?」


 エミリーが猫の姿の時にもユナリアナがエミリーと呼ばない為にシロと呼んでもらう事になった。


「今までずっとカイルの部屋で寝てたからなんか変なんだよねぇ。それにカイルの部屋で寝なくなったから最近、カイルと顔を合わせる事も無くなったの!...なんだろ、なんかポッカリ空いた感じがするんだよねぇ。」


「まぁ!...それはシロちゃんがカイル兄様に会えず寂しいということではなくて?」


「そうなのかなー?」


「ジーク様とも顔をあまり合わせていないのではなくて?それはポッカリ空いた感じは?」


「うーん、ジークはそんな感じしないなぁ〜」


「なら、カイル兄様だけなんですのね!」


「そうみたい〜変だよねぇ。」

 

「いえいえ、全く変ではないですわ!きっとカイル兄様もシロちゃんとあまり会えてなくて寂しいはずですわ!...今日は偶然にも満月の日、前みたくエミリー様の姿でカイル兄様に会われては如何です?」


 枕を抱き抱えながら『うーんうーん』と唸っているエミリーにユナリアナがにんまりと笑顔で提案したのだった...






ここまで読んで下さってありがとうございます。

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