鈍いのだから仕方ない
「これからの事じゃよ。妾とまたこの森で暮らすかい?それとも...」
(あぁ、そうか...私はお師匠様に猫にされてからずっとこの家に戻りたいって思ってたはずなのに...おかしいなぁ〜すぐにお師匠様と住むなんて言えない...おかしいぞ)
「え、えっとね!お師匠様と」
「なぁ、魔女様と今後住むとしても今すぐでは無いだろう?今すぐにシロがいなくなったら隊長達も心配する。一旦シロの姿で騎士寮に戻らないか?」
(...良かったぁ)
「うむ、そうじゃな。エミリー、お主は騎士の皆に愛されておったようだしな。良かろう。猫の姿に戻すぞ。ここのメンバーには声が聞こえるようにしておく。」
「ねぇねぇ、カイル兄様、私も一緒に行きたいわ!」
「いや、まずいだろそれは」
「だよねぇ〜男しかいないし」
「え〜だって万が一エミリー様がカイル兄様と一緒にお住みになるなら私が一緒にいた方が良いのでは?それに私、女騎士を目指すのよ!第一騎士より民間に1番近い第三騎士の方が良いわ。」
「いや、一緒に住まないだろう。猫のままならともかく」
(そっか、もう一緒には住めないよね。...あれ?なんで、私、残念がってるのかな!?)
「カイル兄様が住まないのならエミリー様、私と一緒に住むのは如何かしら?猫でも人の姿でもなんでも来いですわ!」
(お師匠様と住みたいのもあるし...でも、あそこで皆と一緒に住んだのも楽しかったんだよね。...あ!)
「そっか!!!私、寂しいんだ!!!」
「あら!やっぱりエミリー様はカイル兄様が?」
「ほお、エミリー、自覚しおったのか?」
「おお〜まさかのか!!!」
「...」
「私、カイルやジーク、ディートや隊長、ボス達に会えなくなるのが寂しいからなんだ!!!」
「「「鈍い!!!!」」」
「...だよな」
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