お師匠様はやっぱり凄いんだ
「あ、貴女が王女というならその王女が何故ここのメイドをしているのよ!おかしいでしょ!」
(あ!確かにそうだよね!王女様がメイドって変だよね!てことは、王女様のそっくりさん?)
「末娘って意外と自由にされるものですのよ。優秀な姉2人は国の為に嫁ぎましたし兄2人も次期国王として勉学に励んでおりますしカイル兄様だって王位は放棄しても国を護るために騎士になっておりますでしょう?私の役目はあまり無いのですわ。」
「お主は末娘でなくても自由奔放だったと思うぞ。国王夫妻が諦めたのじゃ。まぁあの国王と宰相がマイヤー公爵家がきな臭いと前々から疑っていて今回のケット・シーに関してもお主らが関わるであろうと睨んでおったみたいじゃぞ。」
「そうなのです。貴女方がケット・シーと関わるとお父様から盗み聞...お話を伺い、私を使って下さいと脅し...お願いしたのですわ。私がまさか白猫様専属メイドに任命されるとは思っても無かったので役得ですわね。」
ユナリアナは目をキラキラと輝かせてエミリーを見つめる。
「お前、仮にも王女なんだ。盗み聞きも脅しもやってはいけないぞ。」
「あら?そんな事、私言っておりませんわ。あ、そうだわ。ルディ様、ルミエリナ様がいらっしゃらないといけない理由をお教えしましょう。」
ふふふと可愛く笑いながら続ける。
「ルディ様と他の魔女様ではこの国全体を守りきるには少し力が足りないのです。そして何よりもルミエリナ様は精霊の皆様と今だに繋がりがあるのでこの国にとってとても大事な存在なのですわ。」
「う、嘘よ!!!ルミエリナ、アンタ妖精との繋がりがあるなんて一言も言ってなかったじゃない!」
「当たり前じゃ!お主がしていた事を妾は知っておるのだぞ!言うわけ無かろう。」
(お師匠様、精霊と繋がりがあったなんて)
「なぁ、話し中の所悪いが、そろそろ隊長達が我慢の限界に来ている頃だと思うんだよな〜。マイヤー公爵の本邸で横領とかの書類が見つかってる事だろし精霊云々の話はシロとルミエリナ様で話し合うで良いんじゃないか?」
と眉を下げながら会話に入ってきたのは今まで黙って事の成り行きを見守っていたジークだった。
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