まさかのまさか!
ほんの少しだけ長くなっちゃいました。
「お久しぶりですね。マイヤー公爵」
「は?お久しぶりって何を言って...っ!?!?!?」
何かを察したように先程まで顔を真っ赤にさせてユナに怒っていた顔が今では真っ青になり怯えている。
(あの人、何であんなに怯えてるの?尻尾とか全身撫でられまくるから怖いのは分かるけどあの人、モフモフされる毛が無いのに変なの!)
と、的外れな事をエミリーは思っていた。
「ちょっとレックス!何故怯えているのよ!?そこのメイドはなんなのよ!」
「お主も会ったことあるだろうに。分からぬのか?本当に?」
叫ぶルディにゆっくりとした口調でルミエリナが問う。
「は!?...ただのメイドでしょ?何よ。意味がわからないわ。」
「お主、目が悪いのか?...老眼か。ふむ、お主も歳とったのぉ。」
「老眼じゃないわよ!!失礼ね!!アンタの方が歳のはずじゃない!!」
「ルミエリナ様、話がそれてしまってますわ。ルディ様、本当に私の事がお分かりになりませんか?...まぁ無理もないですわね。この格好でお会いした事はありませんもの。」
「何を言って...」
「ユナリアナ・ドーリーチェ、この国の第三王女ですわ。」
(え!?えーーーー!?!?)
「にゃ!?にゃーーー!?!?」
「シロ、うるさいぞ。」
「そうか、エミリーはあの森に引きこもらせていたからのぉ。知らなくて当然じゃな。ユナはこの国の6人兄妹の末娘じゃ。因みにカイルも元第三王子で4番目だったかのぉ?妾はカイルと直接会ったのはお主が産まれたばかりの頃だったからのぉ。」
「はい、まぁ元なので王族とはもう関係ありませんが。」
(うひゃー!カイルも本当に王子様だったんだぁ!)
「王族を辞めたらお兄様みたいに白猫様とずっと一緒にいられますの?でしたら私も辞めたいですわ。お姉様達は友好国と我が国の有力貴族に嫁いだから私は自由なのよね。」
「お主、王族を辞めて何になるのじゃ?」
「女騎士とか良いと思いますの。剣の腕は第一騎士団の団長様のお墨付きですのよ。」
「ちょ、ちょっと!わたくしを無視して話さないで頂きたいわ!そこのメイドが王女だなんて誰が信じるのよ!」
「あら?貴女以外は皆様信じておられるわよ?」
ニコリと笑いながら首を傾げるユナリアナだった。
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