どうか尻尾を離して下さい。
「王妃一筋だからこそあんなに子がおるでは無いか。王も王妃も何故妾を城に住まわせたいのか謎だがのぉ。...ルディ、せっかく才があったというに勿体ない。」
「うるさいうるさいうるさい!!!!いくら他の魔女より力があってもアンタほどは無かった。いつもアンタと比べられたわたくしの気持ちが分かる!?貴族に依頼を受けてもアンタの代わりでしか無かった。王族の依頼は全てアンタが請けるし...」
(依頼...?あ!最近は私がお師匠様に学んで作ってたやつかな?...って事はあれ全部王族が使ってたの!?駄目だよね!?)
バレたらと顔を青白くさせたエミリーをどうしたのか?と気にかけるカイルとそれでもまだ尻尾を撫でているユナを呆れた目でルミエリナは横目で見ていた。
「はぁ、ユナいい加減にエミリーの尻尾を離しておやり」
「無理です!ルミエリナ様。こんなモフモフで美しい真っ白な尻尾が目の前にあるというに触らないという選択肢はありません。」
「シロが嫌がってる。離してやれ。」
カイルがエミリーを抱え方を変えようとするのをユナは阻止している。
「お、おい!!!お前はここのメイドでは無いのか!?」
それまで黙って事の成り行きを黙って見ていたマイヤー公爵であるレックスが声を発する。
「あぁ、そうでした。私はマイヤー公爵家のメイドでした。一応」
「一応とはどういう事よ!?」
「マイヤー公爵様、自分が雇う使用人等はしっかりとお調べになってから雇わないといけませんよ。」
この場に削ぐわない満面の笑みでレックスに近づくユナは少し不気味だとエミリーは思った。
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