お師匠様っていったい
「はぁ...お主何も理解しておらぬのか。まぁ確かにこの国にいる魔女数人で魔獣やこの国に害をなそうとしている魔力ある人間やその他のものから守ってるには守ってるのぉ。」
「ほら!私だってやってるわよ。だからアンタ1人欠けようが大丈夫なのよ。アンタさえいなければあの陛下だってわたくしを見てくれたかもしれないのに。」
動かない身体を必死に動かそうとするが全く言う事を聞いてはくれない。
全てはそこにいるルミエリナが悪いのだ。必死で今までの思いをルミエリナにぶつけるが当の本人はその事に気にする様子はない。
言葉を発したのは
「...いや、それは無い」
エミリーを抱き上げているカイルだった。
「は!?何故貴方が言いきれるのよ!貴方も父親である陛下に捨てられたようなものでしょ。」
(...カイルは、この国の王子様なの...)
ルミエリナがこの国の王のお気に入りだったり、魔女がこの国を守っているだったり、カイルが王子だったりと初めて聞く情報が多すぎる。
自分がケット・シーの生き残りである事もつい最近知ったばかりで消化してきれて無いというのに。
(頭パンクしそうよ!!!)
「全くお主は...。カイルは自ら王位を放棄したのじゃ。それに妾はこの国の王に気にいられておる。それは確かではある。しかしな、夫婦になりたい云々では無い。彼奴が愛しておるのは王妃である妻だけじゃ...いや、妻と自分の子供らよの。」
「は!?嘘よ!!王子である地位を自ら放棄するというの!?それにアンタばかり呼び出していたじゃない!!」
「王位など欲しくも無い。」
「妾の呼び出しはこの国の為と彼奴の暇つぶしのような物じゃ。だから面倒で度々サボっていたがな。」
(あぁ!それでね。っていくらなんでもサボるのは良くないよ!お師匠様!後、どさくさに紛れて私の尻尾を撫でてないで〜)
カイルがエミリーを抱きあげているが尻尾は腕の外に出ている為、隣にいたユナがエミリーのフワフワの尻尾を撫でていたのだ。
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