助けに来たのは
「シロ!!!!!!」
そこにあらわれたのは、いつも自分を心配してくれていたカイルだった。
(カイル!)
「にゃん!」
エミリーの鳴き声に安堵の色を見せるカイルだったがエミリーの置かれている状況を把握すると少しツリ目の彼がもっと目をつりあげたように見えた。
「...マイヤー公爵、これは一体どういう事でしょうか?」
元々低めの声をもっと低くしてエミリーを捕らえてるレックスへ質問を投げ掛ける。
「そ、それは此方のセリフなのだよ!勝手に人の家に入ってきて非常識だ!」
「我が騎士団の大切な猫と我が国の王が懇意にしている大魔女様を誘拐しておきながら良く言いますね。」
「な!猫ごときに!それにそこの魔女は勝手に我が家に侵入したんだ。誘拐だなんて失礼だぞ。」
「いや〜猫ごときと言いますがそこの白猫ちゃんは公爵もご存知のケット・シーの生き残り。国で保護しなきゃなんすよねぇ。」
と言いながら入ってきたのはジークだった。
『それに』と続ける。
「陛下と言うより我が国が大事にしている大魔女様を誘拐してるんすもん。いけませんよね〜。まぁ他にも、横領や売春等など出てくる出てくる。いや〜悪い事のオンパレードじゃないですかぁ。」
と手にしていた紙をヒラヒラとさせてレックスに見せつける。
「な、なっ!!何故それを!?」
「クックック、お主、哀れよのぉ。妾が可愛い娘を害そうとしておるお主達を知らぬと思ったか?事前にお主達の情報は掴んでいた。が、少し泳がせておいたのじゃ。」
いつの間に動いているルミエリナに驚くレックスとルディ。
その動く身体でエミリーの所へ行き鍵が掛かっていた頑丈な檻を壊しエミリーを抱き上げる。
その動作を止めたくてもレックスとルディは床に身体が縫い付けられたかのように動かない。
「う、動かないわ!どういうことよ!」
必死に呪文を唱えるが一向に自分の身体は動かないしルミエリナも害せないと分かると目と口だけが動くのでルミエリナを睨み叫ぶ。
「魔女はこの国では保護対象だからと王はお主が魔女でありこの国の為になるのならお主がする事に目を瞑っていた。精霊達を殺し幼い娘を殺すのをな。だが、精霊がいなくなった今ケット・シーの生き残りという大事な存在を害そうとした。もう王は目を瞑れぬそうだ。それにルディ、お主がこのままだった場合、妾はこの子を連れてこの国を去ると言ってあったからのぉ。」
「ア、アンタなんかいなくなれば良かったのよ!さっさとこの国からいなくなれば...」
「ふん、妾がこの国を去ればこの国は無くなるぞ。」
「は!?どういう事よ!!!意味が分からないわ。この国は私達数少ない魔女達が守ってるじゃない。アンタ1人欠けただけじゃこの国の結界は揺るがないはずよ。」
そう叫ぶルディを冷たい目でルミエリナは見ていた。
ここまで読んで下さってありがとうございます。
今年の秋は残暑が厳しいらしいですね。
これからも体調崩さないように
皆様お気を付け下さい。