鳥じゃないよ猫ですよ
「はぁ、ルディやはりお主か」
ルミエリナは呆れたように扉の所に立つルディを見る。
「こんな貴重なケット・シーを独り占めしようだなんてズルいじゃない。わたくしはケット・シーの血で不老になるのよ。」
(ケット・シーの血で不老?)
「お主は昔から変わらぬな。精霊達を使って若さを保っておったのが精霊達がいなくなり保てなくなってきたのか。魔女なら自分で何とかすれば良いものを...」
「ふん!アンタみたいな生まれながらの魔女に何が分かるのよ!わたくしは...魔女としての才能があまり無かったから精霊達を使ってやってきたのに!いなくなっちゃうからいけないのよ!」
「人とお主のせいで精霊達はこちらへ来なくなってしまったのによく言うのぉ。...この子は連れて帰る。エミリー、おいで」
「にゃん!」
ルミエリナに呼ばれて傍に行こうとしたら身体が動かず戸惑っているとレックスが近付いてきてエミリーを大きめの籠の中へと閉じ込めたのだ。
(え!?え!?えーーー??)
身体も思うように動かずいきなりレックスに籠の中に閉じ込められてしまったエミリーはパニックに陥った。
「ルディ、お主何をしておる。」
ルミエリナの声が一気に低くなり部屋の温度が下がった。
「せっかく捕まえたケット・シーを返すわけ無いじゃない。それは分かっていたでしょう?それとも大魔女と言われているルミエリナ様にわたくし達が従うとでも思っていたの?ふっ...ふふ、ふふふふ、馬鹿じゃない。」
持っている扇で口元を隠し片眉を上げてルミエリナを見据える。
「...本当に変わらぬな。まぁ従うとも思ってなかったがな。」
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