寝不足はお肌の敵です。
「あ〜もう!どの魔法の組み合わせなのよ!」
ルディは苛立ちを隠せずにいた。
「人間に戻す事が出来ないから猫語がわかるようにと思ったのに全然出来ないわ。ルミエリナと私の実力はそこまで差が無いはずなのに、どうしてよ!」
「ル、ルディ様、少し休まれた方がよろしいのではないですかな?」
エミリーの元を去ってからすぐに取り掛かったのだが中々上手くいかずに一日が過ぎてしまった。
「悔しい、悔しい、悔しい!!!」
机に置いてあった魔法書などを床へと投げていく。
「ヒィッ!!お、落ち着いて下さいな。」
「これが落ち着いていられる!?あの猫を人に戻せないのも悔しいのに!ルミエリナに出来て私に出来ないなんてあるはずないの!それなのにそれなのに!...悔しいけれどあの猫を使ってルミエリナを誘き出すしかない...かしら。でも、それは悔しいわ!!」
ルディは徹夜して赤くなった目をし親指の爪を噛んでいる。その姿は妖艶とは程遠く御伽噺に出てくるような魔女そのものだった。
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(暇、とっても暇だわ!)
待遇は良いがエミリーはあくまでも囚われの身なのだ。その為、この豪華な部屋からは出られない。
日課のディートの背で日向ぼっこもカイル達の訓練を見る事も無い為、エミリーは暇で暇で仕方が無い。
─ガチャ
「白猫様、お食事をお持ち致しました。」
ユナが高級そうなお皿を持ってきてエミリーが食べやすいように支度を始める。
(朝ごはん〜朝ごはん〜♪)
どうここから出ようか考えるが
(腹が減っては!よね。ここのご飯本当に美味しいのよね。今のところ命の危険は無さそうだから大丈夫よね。)
と思いユナが支度してくれたテーブルへと伸びをしながら近づく。
「はぁ〜素敵な伸びでしたね!本当にお可愛らしい!さぁ、どうぞお召し上がりください。」
ユナの言動を気にしないようにしてご飯を食べる。
「食べる姿勢も綺麗です。...やはり白猫様と一緒にここを出れれば...ずっとモフっていられるかしら?」
等と不吉な言葉が聞こえてきたが気にしない。
(...気にしない気にしない...あの魔女の人よりこのメイドの方がなんか怖いのだけど...大丈夫かな?)
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