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月下の白猫  作者: nekomaru
41/67

美しい人って怖いよね。

誤字報告ありがとうございます。

 ユナに散々堪能されまくったエミリーは疲れきっていた。


(つ、疲れたわ...ディートの背の上で日向ぼっこして眠りたい)


 ほぼ毎日している習慣がとても恋しい。


 ─コンコン




「...白猫様、旦那様とルディ様がお越しになりました。」


(旦那様ってのはあの男の人よね。ルディ様ってのは誰なんだろう?)


「先程ぶりですな、白猫さん。ルディ様、此方がケット・シーの生き残りかと思われる猫です。」


 大きなお腹を拵えて隣に立つ妖艶な女性へと声を掛けた。


「ええ、ええ、間違いないわ。さすがはレックス様ね。」


「そういえば自己紹介がまだでしたな。私はマイヤー公爵家当主のレックス・マイヤーです。そして、此方にいらっしゃる美しい女性はルディ様といって尊い魔女様である。」


(魔女...お師匠様以外にもいるのは知っていたけどなんかこの人は怖いわ。)


「ふふ、まぁ得意なのは黒魔法なのよね。アンタのご主人様であるルミエリナとは格が違うのよ。」


(むっ!なんかお師匠様をバカにされた感が!)


(お師匠様の方が断然に貴女なんかより凄いんだから!!)

「シャー!!」


「猫語は分からんのですよ。ルディ様、何とかなりませんかね?」


「...ルミエリナの仕業ね。忌々しいルミエリナ...これはわたくしでは無理だわ。...ん?へぇ〜これは満月の夜のみ人の姿に戻れるのね。レックス様、満月の夜は?」


「満月は...3週間後ですぞ。まだまだ先になってしまいます。」


「3週間も待てないわ。...満月と同じ効力がある魔法を作り上げるわ!ルミエリナに出来るのだものわたくしに出来ないなんて事は無いはずよ!」


 ルディと呼ばれた妖艶な女性は急いでこの部屋を出ていき、レックスもルディを追って出ていった。


「白猫様、大丈夫ですか?お疲れかと思いますのでどうぞ夕飯までごゆっくりお休み下さい。」


 そう言うとエミリーをベッドへと連れて行き肉球の臭いを吸ってユナは部屋を出て行った。


(疲れたには疲れたけど1番はユナさんなんだけどな...それはそうとお師匠様の事を敵対視してる感じだったわね、あの人。今に今、何かされるって感じじゃ無いからとりあえず寝よう!)


 エミリーはこの天蓋付きの大きなベッドで丸まって寝るのだった。





ここまで読んで下さってありがとうございます。

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