肉球は神レベル
もふもふ回です(笑)
(ふぅ〜食べた食べた。)
他の者なら誘拐されたらご飯など食べすにじっとしているかなんとか逃げ出そうとするのだが、自他ともに認めるマイペース─というのはエミリー自身が勝手に思っている事で他人はマイペースというよりは何処か抜けていると思っている─なエミリーはお腹の虫に正直に出されたご飯をしっかりと平らげた。
(食べてる最中もあのユナって人の視線が気になったけど悪い感じじゃ無いからまぁいっか!)
お腹もいっぱいになり先程のお風呂で身体もポカポカな為、だんだんと瞼が重くなってきてしまった。
「白猫様、旦那様が此方に来るにはまだ時間がございますので寝ていただいても構いませんよ。その時になりましたら、もふって...コホン、お声を掛けさせて頂きますので。」
(顔は真面目なのにあのワキワキしている手は何なんだろう?痛いのかな?)
ユナが必死で仕事を全うしようと欲を抑えているのだがそれを知らないエミリーはもふりたい衝動を抑えている為の手を怪我をしているのだと勘違いしユナに近寄りしゃがんだユナの手をペロリと舐めた。
「っ!!!し、白猫様っ!?」
猫特有のザラザラとした舌触りはユナのほんの僅かな理性を壊してしまった。
「し、白猫様が...誘惑するのが、い、いけないのですよ...」
ユナに勢いよく抱き上げられたかと思うと次に頬ずりされ、その次に身体をモフモフと触られ続けた。
(へっ!?な、なんなの?怪我してるんじゃなかったのー?)
今までここまでモフって来たのは誰一人といなくて、お師匠様であるルミエリナはただ優しく撫で続けるだけで、カイルはそもそもそんなにエミリーに触れない。騎士の皆もそこまで触れて来ない。
あのエミリーにだけ態度が変わる隊長でさえここまでモフってくる事は無かった為、エミリーは少々パニックに陥っていた。
「ハァハァ、なんて素晴らしい毛並みなのでしよう。こんなにもフワフワで柔らかくそれでいて艶まであるなんて...罪だわ。」
(つ、罪なの!?)
「にゃん!?」
「はぁ〜可愛らしいお声も罪ですね。も、もう一度舐めては下さいませんか?あのザラザラの舌触り、一度味わってしまうと癖になるのです。白猫様は罪なお方です。」
(罪って何ー!?...も、もう一度舐めれば良いのよね?)
エミリーはユナに言われた通り、恐る恐るではあるがユナの手を再度舐めた。
「白猫様〜」
ユナは感極まったというようにエミリーを抱きしめてお腹に顔を埋めた。
若干パニックになっていたエミリーも流石にお腹をスーハースーハーしているユナに恥ずかしくなり一生懸命ピンクのプニプニの肉球をユナの頭にポンポンと離してアピールするのだが...
「な!な!な!何ですか!?そのご褒美は!!」
逆効果でしか無かった。
ここまで読んで下さってありがとうございます。