衣食住
会話多めです。
「隊長」
「...カイルか、どうした?」
「コレなんですが」
「なんだ?その白いのは...猫か?」
「はい、ディートの背中に乗っていまして、ディートに凄く懐いていて人の言葉もある程度理解出来るみたいです。」
「ほう、ディートの背にか。珍しい。それでその白猫をお前はどうしたいんだ?」
「面倒は私がみますので、出来ればここに置くことを許可してはくれませんか?」
「まぁ、お前以外に懐かないディートが背に乗せたんだから気にはなるよな。...おい白猫、お前ここで悪さしないか?しないのなら置いてやるぞ」
私が返事はしないだろうと思っているのだろう、この隊長と呼ばれた男性は。
(当たり前だわ。衣食住が叶うなら大人しくしているに決まってる)
「にゃん!」
「...返事しやがった。い、いや偶然だよな?」
「いえ、偶然ではないかと思われます。」
「...なら俺達の言葉を本当に理解していると?」
「はい」
「...お手」
(ちょっと!私は犬ではないんだけど!もう!でも、しょうがない、はい)
右前脚を隊長の手に置いてみる。
「本当にしやがった。...おもしろい」
そう言って隊長は私の頭を撫で始めた。
「カイル、料理長にその白猫の飯を作って貰うように言っとけよ」
「はい、ありがとうございます。それでは、失礼します。」
「おう。あ、白猫!またここに遊びに来いよー」
扉が閉まる寸前に隊長から遊びに来て良い許可を貰ったので近々遊びに行こうと思う。
「お、やっと来た来た。どうだった?」
「あぁ、許可貰った。」
「マジか!よかったな~」
「ディートと仲良いのなら離しては可哀想だからな。」
「ま、あのディートが背に乗せる位だからなんかこの白猫あるんじゃないか?言葉も理解してるようだし、」
(まぁ、何かあると言うか元人間ですけどね。...はぁとりあえず衣食住は確保出来たけどいつまでこの姿でいなきゃなのかな~お師匠様~)
そんな事を思ってるとディートからの視線を感じたので、私を抱っこしていたカイルから抜けてディートの元へ駆け寄った。
(ディート、ただいま)
「みぁーん」
ディートの脚に身体をスリスリさせるとディートの顔が近付いて来た。
(人の言葉はわかるけど、ディートの言葉は分からないから残念だなぁ。でも好意的なのはわかるからま、いっか!)