わりと真剣な話なのよ。
「おう、悪い悪い。...ん?そのリボンは...やっぱりシロなんだね。君」
ジークはエミリーの首に結ばれている鈴が付いた赤いリボンを見て1人で納得している。
「だからさっきから言ってるじゃない。シロという名前は不本意だけど私はシロなのよ。」
「それはまぁ、何となく理解したけどさ。だったら猫が人間になってるって事だよな?何で?」
「いや、反対だ。人が猫になってる。」
「逆なのね。でも、何で?」
「...それを聞いたらお前、後戻り出来ないぞ。」
『それでも良いのか?』とカイルは真面目な目付きでジークを見る。それまでエミリーがシロであるという説明を軽く聞いていたジークがここからが本題なのか。と理解して背筋を伸ばし真面目に聞く体勢になる。
「あぁ。結構な事情がありそうだな。」
「そのままシロが人だというのだけで終わらせても良いんじゃないか?」
「それはそれでも良いんだけどさ。お前も巻き込まれてるんだろ?事情を知ってる仲間がもう1人くらいいた方がお前も楽だろ?」
「...仲間、か。...そうだな。」
エミリーにカイルがこいつは信用出来る奴だからとエミリーがケット・シーの生き残りで魔女であるルミエリナに守ってもらっていたが最近になり、事情が変わりエミリーを猫にしている事ときな臭いマイヤー公爵が探りに来ていて気をつけて欲しい事。そして、マイヤー公爵に情報提供している魔女がいる事も話した。
「お師匠様以外にも魔女がいたのね!だから、王様からのお師匠様、他の魔女に会いたくなくていつも嫌がってたのね!」
「何でシロまで驚いてるんだ?」
「他の魔女がいるという話の時、シロ寝てたんだ。」
「まじかよ。」
「だって!お師匠様が来たの遅い時間だったのよ。」
今シロが猫の姿だったなら毛を逆立ててジークに噛み付いているのだろうな。とシロとジークのやり取りを先程入れたばかりの紅茶を飲みながら聞いていた。
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