またも見つかりました。
「げっ!ジーク」
扉から出てきたのはカイルの同僚で良く一緒にいるジークだった。
「え!?俺の事知ってるの?」
(あ、知らないって事にしとけばよかったー!!)
「会ったことあるかな?俺、こんな可愛い子なら忘れないんだけど、何処で会った?」
距離を縮めてくるジークにエミリーは後ずさるがすぐにベッドの縁に当たってしまい逃げ場が無くなる。
「え、えーと...会ったこと...あるような無いような?」
と、曖昧に返してもジークには意味が無いようでジリジリと距離が縮まっていく。
(何でカイルが居ない時に来るのよ!カーイールー)
ガチャ
「...おい、ジーク」
ジークに触れられそうな時にエミリーが求めていたカイルがやって来てくれた。
「ん?あ、カイルお帰り!ねぇ、この可愛い子は誰ー?お前の彼女...な訳ねぇよな。親戚の子か?でも、今日面会とか無かったよな。それにこの子、俺の事知ってたんだよ。」
息継ぎ無しで距離を縮めていたエミリーから離れて扉の所にいるカイルへと詰め寄る。
「...」
エミリーがやらかした事を瞬時に察したカイルは溜息をつき、興奮気味のジークを椅子へと座らせた。
「シロ、お前はこっちに座れ」
「はーい」
後でカイルに怒られるであろう雰囲気を察する。今、シロの姿だったら耳と尻尾が垂れ下がっているであろう。
「...ん?シロ?え?今、カイル、この子の事をシロって呼んだ?なんで?」
「待て、落ち着け」
「シロだけどでも、シロでは無いわ!」
「え?え?」
「はぁ、シロ、黙っててくれないか?」
「うっ...はーい」
エミリーが黙ったことを確認するとジークに軽く話をしていく。
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