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今日は満月です。
「シロ、今日は満月だ。夜は部屋から出るなよ。」
そう言ってカイルは前に買ったエミリー専用の服を用意しておく。
(わかってるわ。)
「にゃん!」
(ふふふーん!今日は満月だって忘れなかったのよ。私、天才だと思う!)
と得意げに尻尾を揺らしカイルを見るがカイルはエミリーの支度と自分の支度に忙しく此方を見ていない。
「また忘れていたんだろ?」
エミリーの顔を見ていないカイルは前のようにシロが満月だという事を忘れていたに違いないと疑いの目を向ける。
(もう!失礼しちゃう!今回は忘れてなかったのにー!)
「にゃんにゃんにゃん!にゃー!」
カイルに通じない猫語を叫んでみる。
「...知ってたのか」
(え、通じた!?...初めて会った時もそういえば通じてた...よね。恐るべしカイル!)
夜になりエミリーの姿へと戻る。
カイルが来るまでのんびりしていると扉がガチャっと開くのでカイルが来たと思い扉へと向かう。
「カイル、今日は遅いの...」
「...え!?だ、誰!?」
扉の向こうから来たのはカイルでは無かった。
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