むかしむかし
少ししてカイルも部屋へとやってきた。
「さて、エミリー誕生日おめでとう。」
お祝いの言葉と共にエミリーの身体が光に包まれた。
「お師匠様ありがとうございます!」
エミリーを包んでいた光が無くなると人の姿に戻っていて嬉しそうにお礼を述べた。
「うむ、では、2人に話しておくかのぉ。」
「それは俺が聞いても大丈夫な内容ですか?」
それに、今日がシロの誕生日なのか?と聞きたいがもう雰囲気がそれ所では無くなってしまい後でお祝いの言葉を言おうと口を閉じた。
「あぁ、心配無い。エミリーの出生の話だからのぉ。エミリーの今の保護者として聞いておくれ。」
心配そうなカイルに微笑み「さて本題だ」と話をしだした。
「まぁカイルは気付いておるようだが、改めてエミリーはケット・シーとの混血じゃ。」
「...へ?」
カイルはやはりと真剣な顔つきになるが当の本人であるエミリーは「ケット・シー?」と疑問符を頭に浮かべている。
「昔はケット・シーはもちろん妖精などもたくさんおったが、人間達の一部が欲を出しすぎてほとんどが妖精界へと引っ込んでしまった。...エミリー、ケット・シーとは猫の妖精じゃ。」
「その猫の妖精の混血が私?」
「妖精が多くいた頃は混血も普通にいたんじゃが、心が汚い一部の人間共がその混血を奴隷として売ったのだ。妖精との混血は見た目が美しく生まれるから観賞用としてだな。後は一部の混血で妾のように魔法が使えるものもおった。」
「それで奴隷として売られていったと」
「まぁ何十年も昔の話じゃ。そんな事が起こり妖精達は人間共に愛想を尽かして妖精界へと引きこもってしまった。ほんの一部は相手と別れたくなかったり子と別れたくなくて残ったものもおるがな。」
「じゃあ、その残った人の中で私は生まれたの?」
そこまで自分の出生について知りたいとは思っていなかった。エミリーにとって母親はルミエリナしかいないのだ。
しかし、そんなルミエリナから出生の話を聞かされて気にならないわけが無い。その為、早く続きが聞きたくてルミエリナを急かしてしまう。
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