日向ぼっこは大切なんだよ。
(はぁ、お師匠様いつ迎えに来てくれるのかなぁ?私、もうすぐ17になるのに!お師匠様、私が17になったら魔法について教えてくれるって言ったのに)
いつものようにディートの背の上で日向ぼっこしながら自分がもうすぐ17歳になる歳だと先程思い出した。
(日向ぼっこは気持ちいいね、ディート)
「にゃーん」
ディートも気持ちが良いのか、私の言葉を理解してくれているのか「ブルル」と返事をしてくれる。
(後1週間で17歳か〜。カイルに言ったらお祝いのケーキ買ってくれるかなぁ?あ!でも、満月の夜はもう少し先だからなぁ)
今、カイル達は鍛錬中で邪魔しないように私はディートと一緒にいるのだ。
カイルにも“ここで大人しくしているように!”と釘を刺されてしまったから大人しくしている。
本当はボス達に会いに行こうと思っていたから少し残念に思う。ディートと遊ぶのも楽しいけれど同じ猫同士 ─本来猫ではないけど...─ 遊ぶのは結構楽しいのだ。
(まさかお師匠様に猫にされて離れ離れになっちゃうなんて思いもしなかったなぁ。早く人に戻ってお師匠様とお家に帰りたい。でも、カイル達と離れ離れになるのは嫌だしなぁ〜)
「お!シロちゃん!日向ぼっこかい?」
いつも美味しいものをくれる料理長がディートの上で日向ぼっこしている私を見つけて近寄ってきた。
(そうよ)
「にゃん」
「そうかそうか。今日は新鮮な魚が入ったから刺身をつくってやるからな。それも良い部位だぞ!」
(お刺身!美味しいのよねぇ)
「みゃあ〜」
「お昼過ぎにまたいつもの所でな」
そう言って料理長は行ってしまった。
(それにしても暇よねぇ)
お昼過ぎまでもう少しある。それまでずっと日向ぼっこしているのも暇だ。
(やっぱボスの所に行こうかな〜でも、カイルに怒られるのは怖いからヤダなぁ。)
自分の尻尾をペタンペタンと叩きながら考えていると見慣れない数人が屋敷の中に入ってきた。
(ん?誰だろうアレ)
服装からして貴族だろうか?身なりのいい服装をしている。
(...なんか嫌な雰囲気)
ここまで読んで下さりありがとうございます。