同色
(はぁ...ここどこよ...)
いきなり魔法をかけた師匠であるルミエリナは私に『しばらくこのままでおるのだぞ。信用置けるもの以外には人の姿を見られるな。よいな?』
それだけ言って私を何処かへ飛ばしてしまった。
(お師匠様の事だから危険な場所には送らないはずだけど...ここは王都、なのかしら?宿舎や馬舎もあるし...騎士の訓練所か何か...?)
とりあえずそこにいても仕方無いと思い人がいそうな所へ向かった。
(あ!あの馬、私と同じ白色だわ。なんか親近感沸くな~)
白馬の元へ行くととてもしっかりと手入れをされていると分かる程の素敵な毛並みであった。
(こんにちわ)
「みゃお~」
(猫語って馬に伝わるのかしら?)
顔を近づけてきた白馬に自分も鼻先をくっつけるように近づく。その白馬は嫌がることもせずに匂いをかぐだけであった。
(とっても大人しいのね。...ここにいれば人が来るだろうから餌は確保出来るかも)
そう思ったエミリーは白馬の上に乗せてもらって人が来るのを待った。
数時間経つと足音が此方に近付いてくるのが分かった。
(餌の確保の為に愛想よく)
自分に言い聞かせて足音がここに来るのを待った。