能天気
お師匠様と会ってからカイルはその日1日ずっと考え事をしているようだった。
(カイル、どうしたのかしら?)
部屋に戻っても何も喋らず何かを考えているようで偶に『うーん』等と声をもらしているけど、他の騎士の人にも『どうした?』と声を掛けられていたがほとんど無視していた。
(ねぇ、どうしたの?)
「にゃーん」
ベッドに腰掛けているカイルの膝に乗ってみるが反応無しである。
(もう!どうしたのよー)
「ゔー」
少し低い唸り声をあげてみたらやっとこっちをみてくれた。
「ん?どうした?」
(どうしたのか貴方でしょ!)
「にゃん!」
「...もうこんな時間か、いつの間に俺は部屋に?」
(はぁ、ダメダメね)
「にゃ...」
私はカイルの膝の上で伸びをして自分の寝床へと向かおうとした。
が、それをカイルに邪魔されて膝の上からカイルの腕の中へと移動させられた。
「あの大魔女はお前を守れと言っていたが、お前は何者なんだ?」
(私?さぁ知らないわ)
「にゃ?」
(まぁ私は魔法が使えないからお師匠様がただ心配してそう言っただけだと思うけどね。お師匠様も心配性よねぇ)
「そうか、お前にも分からないか。まぁでも、とりあえずは今のままなら大丈夫と言う事か。」
その後もブツブツとカイルが考え事をしていたが私は眠くなったのでカイルの腕から抜け出し自分の寝床へと向かった。