生き残り
ルミエリナ(お師匠様)視点になってます。
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「来てやったぞ」
王のいる自室へとやってきたルミエリナ。
「...転移魔法か。」
さして驚きもせずにここへやってきた大魔女として有名なルミエリナに視線を合わせる国王。
「そんな事はどうでも良い。して、要件はなんじゃ?妾は忙しい。」
「お前、あの滅んだと言われているケットシーの一族の生き残りがいると聞いた事あるか?」
「...なんじゃそれは。数年前に滅んだのだろう。」
「あぁ、いるならばの話だが、我が一族と繋がりを持ちたいのだ。」
「...」
「王家は魔力など無い。というか、ここの国のものほとんどが無い。だが、ケットシーの生き残りがいて王家と交われば王家は安泰だ。少しの魔力でも手に入れば諸外国よりは強く出れる。どうだ?」
「ふん、馬鹿馬鹿しい話じゃな。もしもその生き残りがいて、もしもお前さんの一族の誰かと交わる事があって、もしも子が魔力を少量でも持っていた場合、力はあるがある為その力を間違って使えばこの国は滅ぶぞ?それに諸外国からのやっかみも増えるだろうよ。」
「それは承知している。しかし、今のままでは弱いのだ。まぁお前が我が一族と交わるか味方につけば1番良いのだがな。どうだ?」
「何度も言っておろう?妾は何百年と生きる者だ。人となど暮らせぬ。妾は誰の味方にもならぬのだ。」
「ふむ、また口説きを失敗したな。」
「お前さんは本当に国王なのか?この国の未来が心配じゃ。それにケットシーの生き残りを探すのもやめておけ。」
「...俺が探さなくてもこの国の貴族や諸外国も今血眼になって探しているらしい。ケットシーの生き残りがいるのは確定しているらしいからな。」
「確定...ケットシーの生き残り、のぅ。」
何かを考えるようにルミエリナは窓の外を見つめた。