楽観主義なのです。
「そのお師匠様とやらはいつ来るんだ?」
「さぁ、知らないわ。突然猫にさせられて迎えに行くまでとしか言われてないもの。後は、信用置ける人になら人になる事を教えても良いような事、言ってたのよ!まぁ今回は不可抗力というか何というかだったけど、カイルは信用出来ると思ってるから大丈夫かと。...うん、大丈夫...よね?」
この娘と少し話をする様になって分かったことはただ一つ。
「お前、そんな素直で今まで騙されなかったのか?」
素直過ぎるというか単純というか、とにかく心配になる。今まで良くバレずに済んでいたなと思う程である。
「んー?ずっと森にいて人と会ったこと無かったから良くわからないわ。」
「それで良くここに馴染めていたな。」
「まぁ猫の姿だったから何となく?」
色々とフワッとし過ぎている気がする。コイツのお師匠様は何を考えてここに送り込んだんだ!?こんなフワッとした娘がもし、他の悪い奴に裸の姿で目撃されていたら最悪の事態になっていたかもしれないというのに、それにここは男しかいない場所だ。
「お前、もっと警戒心持った方が良いぞ。」
「そう?でも、ここの人達は皆優しいのよ。大丈夫よ!でも、猫から人の姿になるのは信用の置ける人ってお師匠様に言われてるから絶対バラさないでね!」
「...バラしもしないし、追い出しもしない。その満月の時はこの部屋から1歩も出るな!その時は俺の服で良いから傍に置いとけ、そしたら人の姿になった時に着替えられるだろ。」
「いいの!?ありがとう!うん、そうするわ!」
エミリーは嬉しそうな顔をすると勢い良く俺に抱き着いて来た。
「お、おい!抱き着くな。そして、大きな声を出すな!バレたら不味いんだろ!?」
「はっ!そうだったわ。静かにしなきゃ。」
本当に心配だ。これからは今まで以上に目を離さないようにしなければ。
彼女が気持ち良さそうに俺のベッドで寝てしまったので俺はソファで寝る事となったのだが、朝方目を覚ますといつものシロの姿になっていたので抱き上げてシロの定位置に寝かせて俺は残り少ない時間、ベッドで過ごした。
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