朝鮮半島情勢について(直前予測)
米朝会談でニュースがうるさいですが、安倍さんのアメリカべったり外交は見事にこけました。これからあと日本をどう導いていくか非常に興味深いです。
そろそろポンポン痛い痛いかな?
米朝首脳会談が6月12日に控えた直前なので、今回はその予想も加えて書いてみたい。
まず第一に今回の会談で一番決まりやすい議題は「朝鮮戦争終戦」なのだが、中国およびEU内の国々との調整もあるので正式な書面での発表は9月くらいを予想している。
今回の会談では終戦に合意したということのみの発表で以後事務手続きに入る発表になるのではないかと思っている。
9月というのは11月の中間選挙を見据えた上で最短の時間を予測している。
勝敗がつくわけでもないので賠償などは棚上げになるだろうとは思っているが北朝鮮から韓国への経済支援を要請はあるだろうと思う。その場合、韓国がそれを受けるであろうことも間違いない。
次に核廃絶だが朝鮮半島の核廃絶には在韓米軍の撤退がセットにならざるを得ない。
これは北朝鮮が自国の体制を保持するために侵略的な米軍がいることを認められないと、声高に叫ぶであろうことから一番最初の段階で北朝鮮の核兵器廃絶と在韓米軍(当然核兵器を保有している)の撤退の話し合いが始まり揉めることになる。
面倒なのは米国としては在韓米軍の撤退についてはデメリットではなくメリットとトランプ大統領は考える可能性があることだ。
終戦協定を結ぶことによって韓国への軍駐留の意義は終わったと考えれば、撤退による駐留費用削減はメリットになりうる。
アメリカの脅威になりそうな中ロに関しては、日本が最前線を維持すれば問題ない。
北朝鮮もその辺は読んでいて、核施設の爆破やミサイル設備の廃棄等、着々と進めてアメリカの核廃絶に従う様子を見せている。
これはバーターでの駐韓米軍の撤退を要求するための事前のポーズで、アメリカの本音は朝鮮半島から手を引きたいと北朝鮮は読んでいる。
と同時にアメリカにメリットを見せれば、それに乗ってくる可能性が高いのも見抜かれている。
この辺は日本よりもシビアに見抜いているなあと感心してしまうが……
以前に書いたがアメリカは普通の国になってしまっている。
このためメリット・デメリットによっては態度を変え、以前の約束を破ることもあると見るべきだ。
その辺がわかっていない安倍総理の外交上手(笑)には見事に手のひらを返されたように見えるだろう。
日朝首脳会談を希望しても、あれだけ敵対的な行動(最大限の経済的圧力というのは結局、国民生活を崩壊させるつもりの経済戦争の言葉を変えた宣言にすぎません)をされれば無視するほうが普通でしょう。
しかも日本は攻撃することは出来ないと自分達で決めている立場の弱い国です。
米軍がいなくなれば単なる餌としか見られないでしょう。
残念ながらそれが日本の立ち位置です。
だれも相手が手を出してこないとわかっていれば警戒もしなければ尊重もしません。
それがわかっていたため小渕内閣以前は海外への平和的(金銭的)協力ということで影響力を保持していたのだが、それ以降は不況による資金不足により継続しての支援は出来なかったといっていいです。
アメリカべったりの外交で正義のアメリカだった時代はそれでも良かったのですが、アメリカ市民が正義の味方に飽きるという事態になった今では複数国へのバランス外交(韓国風外交)が必要になっていることにまだ気付いてないのが現状です。そのせいで手紙一通で内閣が大騒ぎするはめになるのです。
もっとも責任が大きいには政府と同じようにマスコミが上げられます。
どこを見ても同じ内容、同じ事件を重要度ではなく話題性で流している。
NHKは国営放送なのでまったく正反対の内容の放送があってもいいと思うのですが?
全局、国営放送化しているようで、まったく総保守化しています。
これにはスポンサーのご意向というのが壁になっているのですが、スポンサーの機嫌を忖度して番組作りしているのでは官僚が首相の意見を忖度しているよりも酷い実態です。
本来は自分達はこのような方向の番組を作ると明瞭にした上で、スポンサーを募集するのがマスコミの役目なのですが……
閑話休題
今回の米朝首脳会談では核廃棄問題は廃棄の具体化ではなく、スケジュールが発表になる可能性が高いと思います。次回外務大臣の会談、事務次官クラス会合の日程の発表でしょうか?具体的に何をやるというのは出てこないで次回以降の打ち合わせで摺り合わせていくというところでしょうか。
ICBMについては北朝鮮は査察を受け入れる可能性があります。
これについてはもともと北朝鮮は独自の技術でロケットを組み上げることは出来ないのでロシアからエンジンやら主要部分を輸入しているためです。(エンジンがウクライナ製は有名です)このため見られても困るような部分はなく、組み立て工場と打ち上げ施設のみと思われます。
主要部品の輸入先は機密として出てこないでしょうが、日本の町工場クラスの工場が出てくる可能性が高いと思います。
つまり廃棄してもいくらでも作り直せるクラスで、アメリカから廃棄を要求されれば、見返りによっては切れる設備となります。
核施設そのものは実験場の封鎖をやったので次はアメリカの核戦力(駐韓米軍)減少と綱引きが続くでしょう。
ゆえに今回の会談では具体的な進展はありません。
駐韓米軍がなくなれば軍のポストや予算配分等、米軍内部での調整が必要になるためです。
もっともその結果で、駐韓米軍が削減、撤退されれば、中国は喜びます。そして次の圧力目標を在日米軍に変えるはずです。
そうやって北朝鮮は中国からの支援を受けることになるでしょう。
日本は南シナ海で両足突っ込んで、海上交易路の維持に艦隊を回すことになります。
面倒なのは中国は海洋国家でないため海の警察活動を任せると海賊の跋扈する海に変わりかねないことです。
日本のいせ型空母化計画はあくまで研究で終わると思います。現状の交易路防衛という点では強襲揚陸艦(おおすみ級)やヘリ空母(いせ級)のほうが使い勝手が良いです。
次代の護衛艦が空母になる可能性はありますが、今の規模ではタスクフォースを組むと2個群しか組めない海上自衛隊の人員数が最大のネックになります。
ゆえに南シナ海に常時大人数を取られるのは日本にとって大きな負担になるというのが現状です。
これらを踏まえて朝鮮戦争終結に反対する勢力はおそらくないでしょう。(日本は不利になりますが蚊帳の外です)
アメリカは軍事費削減、大統領の実績作り、中国は駐韓米軍の減少もしくは撤退の口実、北朝鮮・韓国はいうまでもなく建前では同胞が争わなくてすむということや首脳部の権威確立(特に韓国)で断る国がありません。
国連軍の他の国にしても影響は見張りの兵士ぐらいでしょう。
誰も反対するところがないので、この話は順調に進むと考えています。
最後に拉致問題ですが、意外にアメリカはこの問題については引きずりそうな気がします。
交渉のときに風船を割る爪楊枝役として割れない程度に突っつくアイテムとして重宝しそうなので、また北朝鮮もアメリカではなく日本が原因と言い切るために、この問題は使いやすい議題です。
まあ進展がないことは間違いないのですが……
以上が首脳会談直前に予想される交渉内容の予想の纏めです。
これでイラクで揉めてないなら、断交開戦もあったのですが今回はそれはないでしょう。
トランプさん最近退役軍人の集まりに行ったことをツイッターに上げまくってます。
軍人受けしそうな行動というよりは地盤の都市部以外の地域の固めに入ってるようです。
そういう意味でもわかりやすい成果が必要でしょう。