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記憶  作者: 今田侑耶
4/4

漢詩

戦争の話で不穏当な表現が在ります。魚介類が食べれなくなる恐れがあるので、嫌な人は回避してください。

 ばーちゃんの話をしたので、じーちゃんの話も。

 じーちゃんが満州に行ったのは軍属として。

 『軍属』っていうのは、軍に所属する民間人 だったかな? 通辞(? 字に自信がない)やってました。中国語の通訳です。北京語と広東語だったかなぁ。軍服に似た服を着て一応軍刀とかも持ってました。でも あんまり軍関係の話は聞かなかった。ううん、多分子供には聞かせたくなかったんじゃないかな。一つだけ憶えているのは、何故鰻と穴子が嫌いかって話。揚子江だったと思うけど河に死体がいっぱい積み重なってて...... 鰻とか穴子とかウツボの生態がアレだから...... まぁ後は想像しないでください。うちのじーちゃん絶対にナガモノは食べなかった。あとムール貝。ばかばか採れるからバカ貝っていうんだけど、アレも同じ理由で絶対に食べなかった。

 戦場らしい話って本当にそれくらいしか聞かなかったなぁ。

 満州が寒かった話は幾つか憶えてるけど。アンナ・カレーニナの映画を観ながら、帽子は毛糸と毛皮の二重でないと髪が凍ってバリバリになるんだとか、手袋をせずに汽車の手摺を掴むと手の皮が金物に貼り付いて皮がごっそり剥げちゃうとか、そんな話を聞かされた。あと、ちょっとナンだけど冬場に外で立ちションすると下から凍って氷筍が出来ちゃうんだって。極寒の時期だと上まで氷が到達......ゲフンゲフン あーまぁそんな話を聞かされた。所謂(いわゆる)ひとつのやってはいけないタブー集的な?

 うちのじーちゃん 色々死線を乗り越えた人だったけど意外なほど昔の話ってしなかったんだなぁって、これ書いてて思った。


 タイトルなんでェ? って思ってた人 お待たせしました。

 うちのじーちゃん無口とは程遠い人で、じゃぁ普段は何喋ってたんだろう?って考えたら、故事、諺、蘊蓄(うんちく)筮竹(ぜいちく)の話だったなぁ、って感じ。最後 間違ってるって? 間違ってナイナイ(ヾノ・∀・`) 一応、八卦やってたんだよ、あの人。占木? 卜占かな? 長方体の木を使ってやるのもやってたけど、大概筮竹使っていたんだ。「当たらぬも八卦、当たらぬも八卦。」の人だったけど。山之内一豊の妻の話をしたり(小判呉れたんだよ。ねーちゃんと二人に。ねーちゃんが高校生だったか大学生だったかの頃。「嫁に行って金に困ったら...」「内助の功が...」みたいな感じで)、本読んでる横で「読書百辺意自ら通ず」とか、小遣い呉れながら「一円を笑うものは一円に泣く」とか言うんだ。

 で、漢詩 ね。意外と『杜甫』とか『李白』はあんまり出てこなかった気がする。なんか和製漢詩みたいなのをよく唱えてた。『()うを止めよ 他郷苦辛多しと。同朋 友在り (おのず)から相親しむ。柴扉(さいひ)暁に(いず)れば 霜 雪の如し。君は泉流を汲め。我は薪を拾わん。』 「勉強嫌いーーーっ」て言ってないで黙って励め。って意味ね。(ものっそい意訳だから よゐこは真似しちゃいけません。じーちゃんは(おおむ)ねこういうつもりで引用してたと思うけどね。) 香炉峰の雪と清少納言の話とか。『白楽天』とか『白居易』が好きだったのかな。あと漢詩じゃないけど論語。小学一年生に論語の講義とか、泣けるぜぇ(T-T)

 すごく後悔してるのが一点。『鞭声粛々夜川を渡る』(字の間違いは指摘しないで下さい。)『折り炊く柴の記』を書いた人だったか水戸光國だったか頼山陽だったか作者は知らないけど、川中島の合戦ですな。これの替え歌! じゃなくて えーっと替え詩? 『新兵シクシク夜厠で泣く』で始まるこの替え詩が秀逸だった。銘調子で最後まであったんだよこれ。筆書して表装しといてもらえばよかった ってつくづく後悔してる。紙に書いて貰ったのを無くしてしまったんだ。残念。

 念の為。作者はうちのじーちゃんじゃないと思う。多分軍隊で流行ってたんだと思う。昔の人ってこういうの好きみたいだから。『戦友』も「ここは都を何百里 離れて遠き京大もファッショの嵐に(さら)されて、自治と自由は墓の下」で始まる壮大な替え歌がある。らしい(笑)

 

あまりタイトルとは関係無かったですね。筆者の記憶力と表現力のなさ無さ故と『笑っ~て許して♪』下さい。

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