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047「孤独」
どこまでも続く深い闇の中に、無数の光が浮かんでいる。
そして今、その闇の中にまたひとつ、新たな光が加わった。
『……今回も、俺は消えなかったのか』
無限に広がる闇の中で、実体のない闇そのものである俺はひとり呟く。
あの無数に浮かぶ光と俺が交わることは決してない。
それはこの千年を超える時の中で悟ったことであり、今となってはもう分かり切った事象でもある。
だが、それでも。
この宇宙に浮かぶ星々のような輝きを見せる光たちが、新たに増える度に。
俺は言いようのない孤独感に襲われる。
とはいえ今となってはそれすらも、ただ宿主とのコミュニケーションを円滑に進めるために、人間だった頃の感情を無意識のうちに模倣しているだけなのかもしれない。
『……声が聞こえる』
どうやら自問自答をしている暇はないようだ。
次の宿主がすでに待っている。
目覚めなければならない。
俺は深い闇の底から這い上がるように、意識を声の聞こえる方へと浮上させていった。




