出会い
-GAME OVER...-
狭い部屋の中で小さなブラウン管テレビが光を放っている。汚い部屋の片隅には小汚い男が一人洗濯物にくるまって眠っている。
「ピピピピ...02:50ダヨ、02:50ダヨ、オキテオキテ!!キョウモイチニチエガオデファイヤー!!」
時代遅れのキャラクター時計が時間を知らせた。
「んんっ・・・。」
巨大な芋虫が目覚まし時計に手を伸ばす。すると決まって寸前で時計は止まる。
「あれ・・・また寝ちゃったのか。」
ゲームを始めると決まって途中で寝てしまう。最近買ったゲームの中で、クリアしたものは一つもない。テレビの横にはパッケージの塔ができていた。
無精ひげをはやしたこの男には決まってこの時間にすることがある。ベランダから月を見上げることだ。カーテンを開けた時、満月が目の前に広がっていたらその日一日健康で過ごせる、おまじないみたいなものだ。
「さてと。お月さん、今日も一日笑顔でファイヤー!!・・・・!?」
カーテンを勢いよく開けた。目に飛び込んできたのは月ではなく、一人の少女だった。いや、よく見ると顔以外全身金属のようでまるでロボットだった。
“少女のようなもの”は月と男の間に浮き、男を見下ろしていた。
男は魅入られたかのように手を伸ばし一歩ずつ少女に近づいて行った。
そして男は2Fのベランダから落ちた。
これが男と謎の少女との初めての出会いだった。
綺麗な満月の夜である。
とりあえず続けてみることが大事ですね。
頑張って完結させますので、気長にお待ちください。