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夢と少女と旅日記  作者: タチバナ
第4話
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4.信頼と約束

「当然ある、……とだけ言っておこう」

 女神様は静かに答えました。

「現状、打てているのは守りの一手だけだ。攻めの一手を打つには時間がかかる。今、言えるのはこれだけだ。どこから情報が漏れるか分からないからな」

「女神さま。私たちは絶対に他言しませんよ」

 エメラルドさんは前に進み出て主張しました。

「お前たちのことを疑うわけではない。だが、夢魔どもは人の心を読むことができるんだ。故に迂闊に話すわけにはいかないし、話したところで今はどうしようもない。

 ……これでも喋り過ぎなくらいだな。あまり私を困らせないでくれ」

 女神様は一呼吸おいてから言いました。

「ほんのわずかな時間だが、そこの人間が信頼できるのは分かった。目を見れば分かる。お前たちの協力が必要なときが来れば、必ず話す。それまでは夢魔を倒すか倒さんかも自由だ」

 この人は信頼できる人だというのは、私も女神様に対して感じたことでした。ひょっとしたら、私が何もしなくても、一人で夢魔をなんとかしてしまうかもしれません。でも……、

「ナイトメアとの最終決戦には私も必ず参戦します。絶対に逃げ出したりなんかしない」

「ああ、期待しているぞ」

 金髪碧眼の彼女の眼がめらめらと燃え上がりました。眩しくて思わず目を逸らしそうになるほどの一途な想いを感じました。

 そして、その輝きを忘れないうちに下界に戻って、エターナルドリーマーの情報を集めようと思い、調べてみました。すると、近くの温泉宿の従業員の一人が夢魔の魔の手に掛かっているらしいと分かりました。今日はもう遅いので、明日朝一でその人の元へ行こうと思います。




 L.E.1012年 5月9日


「わはははは、我が名はキノコーン! この俺様が最高の夢を見せてやる」

「何を言うか、人間に最高の夢を見せてやるのは、このタケノコーン様の方だ!」

「待てい、お前ら。夢魔同士で争うとは何事か! 喧嘩両成敗してくれる!」

「「お、お前は、まさかキコリーン!?」」

「いいから、全員ぶっ倒れてください」と私が撫で斬りした一日でした。なんですか、このギャグ回。


 L.E.1012年 5月10日


 ただで入れる温泉は最高ですね。もうここに住みたいです。……とか言ってたら、エメラルドさんに怒られました。疲れも取れたので、明日からは真面目に生きようと思います。

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