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聖女戦争  作者: 猫宮
序章 帝国編
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第三十二話 綻びを見つけろ

リーニャとの話を急遽切り上げ、星空騎士団に向かった俺だったが、星空騎士団の入り口前には何故かロロ達が居た。


ロロは俺を見つけるや否や、服をパタパタと叩いた後に笑顔でこっちを見てきた。


「な... なんだよ。 てか、なんで居るんだよ」


「今日出来る作業が終わったからね。 僕にも、情報が流れて来たんだ?

 カルトさんが怪我をしてるってさ。 なんでかな〜? って思ったんだよね」


「俺と理由は同じって事だな。 んで、お前達の方は今の所どうなんだ? 作業は順調なのか?」


「もちろん、後もうすぐで岩の撤去が終わるさ。 そっちはどうなんだい?」


「どの証言も証拠が無い以上、完璧に悪と判断する事は出来ねぇが、カルトの周りに居た奴はカルトを疑ってるよ。 フローレンスなんか特にだ」


「まぁ、真実が明らかにされるのを僕は楽しみに待ってるよ」


「んなもん楽しみにすんな。 じゃ、行くぞ」


「はいはい〜!」


俺達は門を開け、星空騎士団本部へと入って行った。


______________


星空騎士団本部にて....


中に入り、医務室へと行くとそこには頭から血を流しボロボロになっているカルトが居た。 

そしてそんなカルトを見つめるルカ達と、治癒魔法を唱えるフローレンスが居た。


俺はボロボロのカルトにそうなった原因を聞く事にした。


「ボロボロのとこ悪りぃが、一体何があったんだ?」


「そうそう、何があったの? 僕達気になるんだけど」


そう聞くと、カルトはフッと鼻で笑いタオルで頭を抑えながら話し始めた。


「ちょっと前に話しただろう? 俺達の国は魔王軍に襲われてるって。

 実はね、その魔王軍の残党がまだこの国の近くに潜んでてね俺1人でソイツらを倒して行ってるんだ。 ただ、今回倒した奴が案外強くてね怪我しちゃったってわけだよ」


その言葉を聞いたロロは首を傾げながら、カルトの方へと近づき鼻に付く声で話しかけた。


「魔王軍の残党が近くに居る〜...?

 それが本当なら魔力に精通しきってる僕や、リエルちゃんが分かると思うけどね〜?

 ね、リエルちゃん?」


ロロに急に話を振られたリエルは、浮かびながらも姿勢を正して話し始めた。


「え...? まぁ、感知は出来るけど... 流石に今の私じゃ、この国の範囲が限界よ?」


「あらら.... ま、だとしても外に居た僕が感知出来ない敵を....

カルトさんはどうやって感知したのかなぁ?」


問い詰められたカルトは腰に差していた剣を取り出し、ロロの前に出した。


「クソ親父から貰ったこの剣にはな? ある力が眠っているんだ。

 その力ってのは、 例え微弱な魔力であろうとも感知しその魔力の方を指す。

 剣の所持者である俺は、 剣が指す方向に行って見つけたってわけだよ」


「じゃあ今から僕がちょっとした魔法使うけど、それでも反応するのかい?」


「悪意がこもった魔力にしか反応しねぇから、君の魔力には反応しないさ。


というかそんな事より、ある兵士から聞いたけどロイさん。 俺の事を探ってるんだって?」


誰から聞いたのかは知らないが、探っているのがバレているらしい。

まぁ、 だが嘘をつくのは得意だ。



「んん? あぁ、お前の事を探ってるぜ。

 リヒト失踪に関わってたら大問題だからな。 ま、でも探ってるのはお前だけじゃねぇぞ? 

 リヒトに関わってる奴は全員調べてるぞ?」


「怪しまれるのはこちらとしても気分が良くないんだ。 だから、もう辞めてくれないかい?

 最近魔物と戦い続けたり、部下のミスのせいで結構ムカついてるんだ。

 仕事にも支障が出るからさ?」


「んな事言われても、こっちも急に仕事任されてんだ。 お互い様だろ。

 それともなんだ? 探られたくねぇ事でもあんのか?」


「あるわけ... ないじゃないか。 俺はこの国を守る星空騎士団の隊長だぞ」


カルトは治癒魔法で治った体でゆっくりと立っていき、剣を腰に差した。


「まぁ、十分に調べると良いさ。 怪しむ人は俺じゃないって事が分かるからさ」


「そん時は酒でもなんでも奢ってやるよ。 だが、そうじゃなかった時はどうなっても知らねぇぞ?」

 

ココで話を終わらせて帰らせるわけにはいかない。 

フローレンスから聞いた感じ、カルトは挑発にめっぽう弱い。

上手くいくか分からんがやるしかない。


「何をそんなに怒ってるんだい? 俺が君に何かしたかな?」


カルトはポキポキと鳴らしていた首から手を離し、俺を睨みつけてきた。


良し、成功だ。 こっからはそれっぽい理由を付けて... 怪しい所を見つけ出すだけだ。

綻び... 綻びを見つけろ。


「いいや? ただ、約束を守れもしねぇ男が嫌いなだけだ」



「約束...? 一体なんの話を」


「ミャルルと約束してたんだろ? お前が、居なかったから泣きそうになってたぞ?」



「それは... 仕方ないだろう?

 この国を脅かす脅威は俺が徹底的に排除しないといけないんだから。 

 ミャルルには後で謝っておくよ」


「リーニャも仕事に困ってたぞ?  手伝ってやんねぇのか?」


「...適材適所って奴だよ。 俺だって仕事があって忙しいんだ。

 君みたいな依頼しか受けない冒険者には分からないだろうね」


「あぁ、わかんねぇだろうな。

 騎士団の隊長にもなった事ねぇし、魔物の魔力を感知する剣なんて持ってねぇしな。


 でもよ? お前が隊長なのに、副隊長に仕事を丸投げして、王女であるリーニャの手伝いもせず、 魔物を斬りに行ってるのは如何なもんかと俺は思うがなぁ?」


俺がそう言うと、カルトは腰に差していた剣を抜き俺の首元に剣を向けて来た。


「さっきから君は俺に何を言いたいんだい?

 君がやってる事をを俺は詳しく知らないけど、そんなにストレスが溜まるなら辞めたら良いんじゃないかな?」


慌てる事なく... 冷静に。

たかが、 剣一つ。 避ければどうって事はない。 もっと.... もっと綻びを見つけないと。


「そっちこそ何をそんなにイラついてんだ?

 俺が事実を列挙しただけで、剣を抜いてきてよ? 

 魔物を斬ってストレス溜まってんなら辞めたらどうだ?

てかよ... お前の親友が行方不明になってんのになんでお前は魔物を斬り続けてるんだ?

魔物を斬る事で親友に繋がる何かがあるのか? なぁ... 教えてくれよ」


剣を向けるカルトはハハっと高笑いをし、息を吸った後剣を更に首元に近づけて話し始めた。


「ここに居る人には分からないだろうね!

 親友が消え... 魔王軍に襲われ.. 挙句この国が終焉に近づいてる事をさ!!

 俺はそれを止める為に必死に頑張ってる!! 

 なのに... なのに.... 君や俺の部下はくだらない事ばっかして俺の手を煩わせる!! 

 君は... 君は俺に何が言いたい!!」


カルトが持った剣はプルプルと怒りで震えていた。


だが、今の問答で俺の中にあった疑いの心は確信へと変わった。



俺がカルトに言葉を返そうとしたその時、ルカが俺の身体に抱きついて来た。

そして、俺を後ろに引きずろうとしていた。


俺はプルプルと震えるルカに小声喋りかけた。


「なんだよ... 急に」


「ロイ... 何か言っちゃいけない事言おうとしてるでしょ。

 ダメ... 絶対にダメ! 嫌な予感しかしない!!」


「安心しろルカ、俺はんな馬鹿じゃねぇよ。

 これ以上何も言うつもりはないし、さっきはあの言い合いを止める為に謝ろうとしただけだよ」


俺は向けられた剣に手を添え、ゆっくりと下に下げて行った。

俺は息を大きく吸い、 整えた後カルトを落ち着かせる事にした。


「確かに... お前の言う通りストレスが溜まってたのかもしんねぇ。

 変に疑って... 変にストレスかけて悪かったな。 すまなかった」


俺はそう言って頭を下げた。 数秒沈黙が続いた後、カルトは剣を腰に差した。


「俺も俺で頭に血が昇ってた。 差別的な発言をしてすまなかった。 外で頭を冷やしてくるよ」


カルトはそう言って医務室を出て行った。


俺は下げていた頭を上げ、横の椅子に座っていたロロと顔を見合わせて笑った。


「なぁロロ。 俺の詰問はどうだったよ?」


「審問官と同じ雰囲気が君から漂ってきたよ。 まぁ、でもロイ君のおかげで色々と分かったよ」


「だが... どうするかが問題じゃないか?」


「それは僕に任せてよ。 最高の舞台を用意してあげるからさ」


一々言い方がムカつくが、まぁ有り難い事にかわりはない。 


「だったら俺はソコに持ってけるように、更なる証拠をどんどんと持ってってやるよ」


俺とロロがそう話し合ってると、ルカは何一つ理解出来ていないのか戸惑いながら会話に入り込んできた。


「い... 一体何を話してるの? 舞台とか証拠とか...」


「この件に関しては暇な時話すよ。 話しても良いだろ? ロロ」


「もちろん。 僕も僕でアーリャに話すよ」


「この件は俺達とロロ兄妹の秘密で良いよな?」


「舞台まではそうしておこう。 それが1番安全だからね」


俺とロロは秘密保持を約束した後、別れを告げた。

どうやら、ロロ兄妹はここに来る最中にリーニャから伝言を頼まれた兵士に伝言を貰ったらしい。

帝国に関わる問題だから、話をしたいらしい。


俺は俺で3日後までもうする事が無い。

色んな人に話を聞きに行っても良いが、それでカルトにまた怪しまれたら面倒だ。


俺は陽が落ちるまで、ルカやフローレンス達の手伝いをし夜になるのを待った。


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