第26話 国境医師団 フローレンス
星空騎士団にて...
俺が次に着いた場所はここ、星空騎士団本部だ。 旧王であるゴルゴのおかげか騎士団本部は豪華な作り方をされている。 積み上げられたレンガの石には汚れ一つすらない。
俺はここに居るはずであろうカルトと少し話したい。
俺は門を開けて、騎士団本部である屋敷の中に入って行った。
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星空騎士団本部にて...
扉を開けて中に入るとフローレンスと楽しそうに話しているルカが居た。
ルカは扉が開いた音で気付いたのか、俺が居る入り口の方を向いて来た。
俺とルカはもちろん目がバッチシとあってしまった。
ルカは持っていた紙を床にストンと落とし、顔を真っ青にして慌てていた。
ルカは雷の様な速さで俺の元に来て、肩を掴んできた。
ルカは息を途切れ途切れにしながら弁明を始めた。
「違う... 違うの! 勘違いしないで!」
「.... は? 何言ってんだお前」
「私、願いで決められた人が居るから...! フローレンスさんはただの友人だから!!」
「...頭がおかしくなったのか? 何を慌てて何を言ってんだよ」
「ほんと... ほんとうにちがうの!! ロイ... 私は」
「ちょっと待ちなさ〜い!!」
フローレンスの奥から聞き馴染みのある大きな声が聞こえて来た。
リエルはルカが言葉を紡ぐ前に爆速で俺の元に飛んで、ルカの口を手で塞いだ。
「むぐ、むぐぐぐぐぐぐ!」
「アンタはちょっと落ち着きなさい!
ロイはアンタの言ってる事理解出来てないから!! だから落ち着きなさい!」
「む? むむむむむ?」
「えぇ、本当よ。見なさいよこのロイの顔、今の状況が理解出来てなくてポカンとしてるじゃない」
「なぁリエル。 ルカは俺に何を言いたかっか分かるか?」
「全部は言えないけど少しは言えるわ」
「なんなんだ?」
「勘違いをして、ロイにとんでもない事を言いそうになってたわ」
「とんでもない事...?」
「まぁ... 今ここでそれを言っちゃったらルカに怒られちゃうから、ルカの口から言われるその時まで言えないわ。
それよりロイ。 なんでアンタがここに居るの?」
リエルはルカの口を塞いでいた手をどけて、俺の肩に乗ってきた。
「いや、カルトと少し話がしたくてよ。 リエル、場所知ってるか?」
リエルに聞いたその時、誰かが俺の右肩に手を乗せてきた。
「カルトはソワーズの使者達の手伝いに行ってて今は居ないよ。 それよりロイ君、傷は治ったかい?」
俺の肩に手を乗せてきたのはフローレンスだった。
「お前のおかげでバッチシ治ったよ。 んじゃあ予定と違うが... いずれ聞く予定だったお前にするか」
「ん? 何か僕に聞きたい事があるのかい?」
「お前の過去の事とか、リヒトとかの過去の話を聞いて回ってるんだ。
過去の事を聞いたら何か分かることもあるかもしんないだろ?」
「僕の過去を聞きたいのかい...?
まぁ... 聞かれてまずいことなんかないからいいけど、ちょっとだけ条件を付けても良いかい?」
「金でも薬の治験でもなんでも良いぞ」
「そんな事しないさ。 ココじゃ兵士さん達の耳にも入っちゃうかもしれないし... ルカちゃん達にも聞かれるから僕の部屋に来てくれるかい?」
「ルカに聞かれたらまずい事があんのか?」
「ロイ君の方が色々と理解してくれそうだから、ロイ君にだけ話したい事があるんだ。
僕の部屋と言っても騎士団が用意してくれた部屋だから、階段を上がってすぐさ。
どう? 来てくれるかい?」
「まぁ... 色々と理由があるんだったらいいさ。 分かった条件を飲むぜ」
「ありがとうロイ君。
じゃ、ルカちゃん達ちょっと僕話してくるから仲間達にこの紙渡しといてくれる?」
フローレンスはそう言って、ルカが先持っていた紙を渡して階段を上がっていった。
「は、はい! 分かりました!!」
「助かるよ」
「んじゃあまたなルカ。 ちょっくらフローレンスと話してくるからよ」
「うんまたねロイ!! 私もロイみたいに頑張るから!」
「...? まぁ... うん。 頑張れよ」
俺は肩に乗せていたリエルを優しく持ってルカの肩の上に乗せた。
俺はリエルの頭を撫で、俺はフローレンスの後をついていった。
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フローレンスの部屋にて...
フローレンスの部屋は俺が一週間前に怪我して看病されたあの部屋だった。
フローレンスは部屋に入ってすぐにお茶を作り始めた。
「そこのソファに座って待っててくれるかい」
「あぁ」
俺はフワフワなソファに座り、フローレンスを待っていた。
数分後、フローレンスはティーカップを両手に持って俺の前にある机にティーカップを置いた。
フローレンスはティーカップを持ったままソファへと座りお茶を飲んだ。
少し飲んだフローレンスは、ティーカップを机に置き話し始めた。
「ねぇロイ君... 君は僕に話を聞く前に誰に話を聞いた?」
「冒険者協会で酒を飲んでたマルコスっておっさんだな。 それがどうかしたか?」
「マルコスさんは知らないから言ってないか... こんな事疑いたくもなかったし僕の口からも言いたくない事なんだけど、もう限界だからロイ君に言って良いかい?」
「... どうした? 何があったんだ?」
「何かあったかって言われると... まぁなかったとは言えないね。
僕はね... リヒトが消えたって件にカルトが関わってると思うんだ」
「いや、そりゃあまぁ... 関わってるだろ。 友達なんだろ? 2人は」
「そういう事じゃないんだ。 リヒトをこの国から消したのはカルトかもしれないって言いたいんだ」
フローレンスは拳を強く握りしめていた。
「なんでお前はそう言えるんだ? 何か消した証拠でもあったのか?」
「証拠なんてものはないけど...
昔からカルトと関わってた僕は、カルトの裏の顔を知ってるんだ。
改心したと思ってた僕だったけど... カルトは何一つ変わってなんかなかったんだ」
「...聞かせてくれよ。 色々と」
「まずはどこから聞きたい? 現在でも過去でも包み隠さず話すよ」
「フローレンスが言いたい事を全部完璧に理解できるにはどこからの話が必要だ?」
「僕が言いたい事を完璧に理解できるには... うん... そうだね過去からが1番かもね」
「じゃあ過去からだ。 過去の話を聞かせてくれるか?」
「じゃあまずは僕の過去から話していこう」
フローレンスはそう言って過去の事を話し始めた。




