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聖女戦争  作者: 猫宮
序章 帝国編
23/24

第20話 異変

時は戻り、事件翌日の朝...


朝から外が騒がしい... 折角寝れていたのにこの騒がしさで起こされてしまった。

俺は窓から外を見ることにした。 どうせ何かあったんだろ。


そう思い窓を見ると、窓の外に一輪の青い花が置かれてあった。 

花びらが青色に薄らと輝いて綺麗だ。

それに何か不思議なパワーを感じる気がする。

昨日見た時はなかった気がするが、誰かからのイタズラかどっかから飛んできたか...

まぁ、 分かりゃあしねぇが綺麗だし貰っとくか。 もしかしたらこの花が幸運を呼ぶ花かもしれないしな。


俺は窓を開けて置かれていた花を取って、荷物を入れたバックへと付けた。


俺は寝巻きから着替えて、サクナ村で買った服に着替えた。 

俺は頭痛を少し感じながらも、 部屋を出てルカ達と合流した。


ルカとリエルは先に朝ご飯を食べていたらしい。 俺は俺で今日は食欲がない。

まぁでも今日の用事にエネルギーはあまり必要じゃない。


俺とリエルは剣を取りに戻ったルカを宿のロビーで待っていた。


「ねぇロイ、さっきから気になってたんだけどそのバックに付けたお花は何?

 前までそんなの付けてなかったじゃない」


リエルはそう言って花の周りを飛び回って匂いを嗅いでいた。


「朝起きて窓見たら置いてあったんだよ。

 なんだコレって最初は思ったが、幸運を呼ぶ花〜とかそんな噂聞く事あるだろ?

 もしかしてコレがそうなんじゃねぇかって思ってよ」


「幸運を呼ぶ花〜? アタシそんな花初めて聞いたわよ。 誰がそんな事言ってたの?」


「さぁな? 俺も詳しくは知らん。 でも、もしコレがそうなんだとしたら今日とんでもねぇ情報が得られるかもしんねぇぞ?」


「だと良いわね」


俺とリエルは今日する事について話しながらルカを待っていた。


5分くらい経った頃、ルカはフリルが付いた服を着て降りてきた。 

ルカは珍しくスカートを履いていた。


「ごめんごめん〜! ちょっと着る服に悩んでて」


ルカは息を荒くしていた。 ルカは膝に手をつけて息を整えていた。


「なんだか今日は珍しい格好だなルカ。 イメージチェンジってやつか?」


俺がそういうと、ルカはスカートを手で掴みチラッと上にあげた。


「普段はスカートとか履かないんだけど、折角買ったんだし履かないと勿体無いって思ってさ〜。  てか、そう言うロイだってなんかいつもと違う雰囲気の服着てるじゃん。

 何その肩についてるベルトみたいなやつ」


「俺も分からん。 なんかオススメされたヤツだ。 でも、案外似合ってるだろ?」


「冬服しか見てなかったからなんか新鮮かも。 リーニャ帝国があったかいおかげでこういう服着れ るの嬉しいな」


「確かに言われてみりゃああったけぇな。 ココも雪国だってのに」


「何か特殊な魔法でもかけられてるんじゃないのかしら? 帝国内に」


リエルが急に会話に割り込んできた。 俺はそんなリエルの服を掴み肩の上に乗せた。


「ちょっと何よ急に! アタシも会話に入っちゃいけないのかしら!!」


「乗せたくなったから乗せただけだよ。 

 じゃココで長話するのもなんだし、情報収集しにいくか」


「うん!」


「ちょっと急に動かなっ... て、わぁ!!」


リエルは肩についてるサスペンダーを掴み振り落とされないようにしっかりと手で掴んでいた。


俺とルカはそんなリエルを見てふと笑みが溢れた。

俺は背中にいつもの荷物を背負いリーニャ帝国の情報を集める為に街に出る事にした。


___________


リーニャ帝国噴水前にて...


メインの広場であるココに着くまで、ずっと俺達の後ろを帝国の兵士が付いてきている。

俺達は気づかないフリをし続けてはいるが、どうやら兵士達はそれに気づいてないらしい。


にしてもどうしたものか... 犯罪を起こしたわけじゃないし、コレと言って迷惑をかけたわけでもない。


ただ兵士達が俺達に目を付けてるのは確かだ。


俺達はただ噴水の前で立ち尽くすしかなかった。


「ねぇなんでまだついてくるのかな? 私達なんかしたっけ?」


「俺達はなんもしてねぇよ。 多分、兵士が何か勘違いしてるんじゃねぇか? 

 てか、一体何があったんだよ」



「アタシが擬態魔法をアンタらにかけても良いんだけど... バレた時がめんどくさいのよね..」


「まぁ... 一旦気づいてないフリを続けたまま狭めの道に行って振り切ろうぜ?」


「えぇそうね。 ただ狭めの道ってあったかしら...?」


俺とリエルが顎に手をついて考えているとルカが何かを思い出したのか手をポンっと鳴らした。


「冒険者協会に行こうよ!」


「えぇ... なんでだ?」


「昨日はなんとも思ってなかったけど、ココとかと比べたら冒険者協会がある所って結構狭くない? 兵士さん達が隠れれる場所もないと思うの!」



俺は昨日の記憶を思い出す事にした。


あぁ... まぁ確かにメインの広場と比べりゃあ狭いな。 もしもん時は路地に入り込めば良いし。


「よし、ルカのその提案で行くぞ。 タイミングを見て路地に二方向で別れよう。 

 そっからは魔力調整を使って話しながら再度合流だ。 行けるか?」


「私は良いよ」


「アタシはアンタらとアタシの魔力調整をすればいいのね。 よしっ、任せなさい!」



俺達は冒険者協会がある建物の方に向かった。 もちろん俺らをつけてくる兵士もだ。


俺達は何気ない会話をしながらずっと気づいてないフリをしていた。

そんな事をしていると冒険者協会近くの道まで俺達は来ていた。


魔力調整を済ませた俺達が二つの路地に別れようとしたその時、俺は知らない誰かとぶつかってしまった。


知らない誰かは道に倒れてしまった。 俺は倒れてしまった子に手を出した。


「俺が前方不注意だった。 大丈夫か? 立てるか?」


そう言いながら差し伸べたが、その子はフードを被っていたせいで顔が見えなかった。


「ぼ、僕の方こそごめんなさい! た、立てるので大丈夫です!!」


そう言ってその子は自力で立って、遠くの方へと走っていった。

その子からは少しだけ、魔力の匂いがした。


まぁ、アクシデントがあったがコレでやっとこそ兵士達を振り切れる。


「ふぅ... じゃあ」


一息つき、行動に移そうとしたその瞬間。 俺達の後ろから兵士たちが槍を持って出てきた。


「そこの三人!! 今すぐに手を挙げろ! さもなくば拘束魔法を使用する!!」


「逃げようとしても無駄だ!! 我々はすでにお前達を包囲している!」


逃げようとした路地... そして俺らの後ろ側からも兵士達の足音が聞こえてきた。


俺達は魔力調整をしてたおかげで喋らずに会話する事ができた。


(一体この状況はなんなんだ...? 俺達なんかしたか...?)


(アンタの荷物に絶対アンタのじゃないティアラが乗ってるわ。

 アンタ... もしかして盗んだんじゃないでしょうね?)


(うわ! 本当じゃん!! なんかキラキラしたの乗ってるじゃん!)


(んなまさか...)


横目で持っていた荷物の方を見ると、確かに見た事ないティアラが乗っていた。

だが、ティアラが乗っている場所がさっきまで花を付けていた場所だ。


(もしやあの花... 誰かの罠だったのか?)


(ほんとだ! あの綺麗な花ないじゃん!!)


(ハメられたってわけね...。 さて、どうしたものかしら)


次の作戦を考えようとしてた俺達だったが、兵士は槍を持ったまま俺達に近づいてきた。


「早く手を挙げろ!! 警告を無視するのならば即座に拘束魔法を使用する!」


(リエル。 なんか使えそうな魔法あるか?)


(残念ながら、使えそうな魔法はないわ。 どれもアタシ達を不利な状況に追い込むだけよ。 

 だからココは大人しく)



(先に謝っておく、すまんルカ•リエル。 俺を置いて逃げろ。 時間を稼ぐ手はコレしかない。

 俺が時間を稼ぐから副隊長さんに事情を伝えてきてくれるか?)


(え.... ロイ? 何をする気なの?)


(ロイ...!! それだけはダメよ!)


(殺しはしない。 ちょっと眠ってもらうだけだ)


(本当に... 本当にやるって言うの!? この帝国内で!)


(事情を説明すれば副隊長さんが止めに来てくれるはずだ。 お前らに誓う、絶対誰も殺しはしない だから行け!! 俺が時間を稼ぐからよ!)


俺は手を挙げ、 降伏したフリをした。

兵士が槍を下ろし油断したその瞬間、俺は召喚魔法を無詠唱で使い大鎌を取り出した。


そして俺は近づいてきた兵士に向かって大鎌を振るった。 

怪我をさせないように、刃を魔力で変化させ木刀くらいの硬さにした。



「あぁ、もう!! アンタって馬鹿は!! 行くわよルカ!」


「え、 あ、 うん!! ってうわぁ!!」


リエルはルカを浮遊魔法で浮かばせ後ろに来ていた兵士達を飛び越えさせた。

ルカはリエルと共に星空騎士団がある方に向かって走っていった。


俺は俺で迫り来る槍を避けながら、魔術師達が撃ってくる拘束魔法を魔力壁で防いだりして耐えていた。


木刀でも人は気絶させる事が出来る。 俺は気絶させれそうな兵士は大鎌で殴り気絶させた。

痛いだろうが... 変に疑われて武器を向けられるのはごめんだ。


俺も早くココから逃げる為に、拘束魔法を使うしかないな。

俺は空いている左手に魔力を込めて、拘束魔法を使おうとした。


だが、その時心臓に強い痛みが走った。 ズキン、ズキンと鉄の棘が刺さるような痛みだ。


「ゔぁ....」


俺は口から血を吐き、大勢の兵士の前で膝をついてしまった。


兵士は動かない俺を見るや否や、すぐさま拘束魔法を唱えて拘束してきた。


兵士は落ちた大鎌を蹴り飛ばし、取れない位置へと蹴飛ばした。

そして槍を持ったまま近づいてきた。


「盗人達の手先め!! その化けの皮を剥ぐんだ!! さもなくばこの槍で魔力器官を突く!!」



盗人の手先...? 一体何を言って... ゴホッ... ゴホッゴホッ。


駄目だ... 魔力を使おうとしたら血が止まらない。 一体何が起きて...


「俺は.... 俺達はアンタらが言う盗人達の手先じゃねぇよ.. 聴取でもなんでも受けるからこの拘束魔 法を解いてくれ...」


「嘘をつくな!! 俺達は確かに見た!! お前の荷物に王女様のティアラが乗っていたのを!」


「俺達も見たのはあの時が初めてだよ.... 気づいたら花がティアラに変わってたんだよ」


「問答無用!! 盗人の手先め!! 嘘を吐けないようにしてやる!!」


兵士はそう言って、槍の持ち手で俺を殴ろうとしてきた。

だが、その時二方向から声が聞こえてきた。 一つは後ろで、もう一つは前の方だ。


「お前達、槍を下せ!! その冒険者は盗人ではない!!」


「俺達に言わずに武力行使すんな馬鹿ども!! 早くその槍を下せ!」



声の正体は、副隊長さんと見た事がない剣士の声だった。 

その剣士も副隊長さんと一緒で似た装飾品を付けている。


「副隊長様... 隊長!! で、ですがこの冒険者は!」


どうやら隊長様だったらしい。 どうりで、剣を持ってるわけだ。


「俺は昨日盗人の顔を見た。 ソイツはそこにいる冒険者とは顔が違う。

 それにそこにいる冒険者は擬態魔法など使っていない」


「大丈夫か? 冒険者ロイ」


副隊長は俺の拘束魔法を解除魔法で解き、肩を支えてくれた。


「血はいて... おい。 お前ら何して!」


「いや、それは冒険者が急に血を吐いて... 」


「ゴホッ... ゴホッ... おゔぇ...」


俺は口から血が止まらなかった。 手で口を塞いでも血が隙間から流れてくる。


「おい、カルト!! 今すぐコイツをフローレンスのとこに連れてけ!! 血を吐きすぎてる!」


「ただでさえ、怪我人が多いってのに迷惑事増やして... あぁもう!! 

 お前ら後で覚えとけよ!! 地獄の修行をさせてやるからな!」


「ひ、ひぃ!!」


隊長さんの怒りを見た兵士達は槍を落とし、膝をついていた。


俺は止まらない血を抑えていたが、どんどんと目の前がボヤボヤとしてきた。


痛い痛い痛い... 心臓が痛い...!! 血も止まんねぇし.. 息もしづらい!!


やべぇ... 意識が..


俺は全身の力が抜けその場に倒れてしまった。


「おい、おい!!」


「ロイ、 ロイ!?」


「副隊長ちょっとどけて、すぐに連れてくから」


「あぁ、頼んだカルト。 俺は馬鹿どもを一旦騎士団に連れ戻す」


「頼みました」


俺は隊長さんに抱えられ、フローレンスの元に連れて行かれた。


「ルカは副隊長さんに着いてって。 アタシがロイの事見とくから!!」


「そ... そんな。 わ、私も!!」


「治癒魔法を使えるから行くだけよ!!

 それとアタシはロイが使うような鎌持てないから拾っといてあげなさい!」


「う、 うん... わかった」


「なーに安心なさい!! すぐに帰ってくるわよ!」


リエルも隊長さんの後をついてフローレンスの元に向かっていった。


面白い!先が気になるぞ?と思った方は

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