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聖女戦争  作者: 猫宮
序章 帝国編
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第一話 冒険の始まり

猛吹雪がアクサンタラを襲うある冬の日。

俺は焚き火で照らされた洞窟の中で吹雪が止むのを待っていた。


焚き火を使い暖を取っていたがどんどんと外から入ってくる風によって弱まってきていた。

俺は右手をサンドラと呼ばれる魔物の手に変形させて火を出し、焚き火の火を強くした。


俺は吹雪が止むまで燃え盛る焚き火を見て待っていた。

 

__________


俺はロイ•コロニクス。 旅人だ。

俺はある二つの目標の為にこの旅を始めた。


一つは俺の出生を知る為に。

もう一つは、この世の中を壊す為だ。


今の世ははっきり言って腐ってる。

聖女に預言を求め、 聖女の言葉通りに動き、 聖女の為に命を落とす。


聖女に頼りっきりの世の中だ。

聖女が神から力を授かったせいで、世界はこんなにも惨めになった。


神も神だ。 『願いの力』なんてものを世界中の民に配って、まともな人間なんていりゃしない。


どうせ俺の体をこんなのにしたのもその『願いの力』とやらだ。

俺は自分自身の体を魔物の姿に変えたり産み出す事が出来る。 

手から火を出す事も出来たら、逆に凍らす事も出来る。


今となってはもう慣れちまった力だが、俺はこんな力が欲しいだなんて願った事なんてねぇ。


俺は腐った世の中を壊す為、そして出生を知る為に旅をする。 たとえそれが困難な道だとしても。


____________


焚き火を眺めて数時間が経った頃だろうか、

外の吹雪は弱くなっていき旅が再開出来るくらいに落ち着いてきていた。


今日は日が暮れる前に予定の村に着く予定だったから、吹雪が止んでくれんのはくそありがてぇ話だ。 丁度日暮れまでは4時間ぐらいある。


この洞窟から予定の村のサクナ村までは3時間ぐらいだ。

今からここを出発してアクシデントさえなければ余裕で到達できる。


吹雪がまた強くなる可能性もあるが... 行くタイミングは今しかねぇ。

この洞窟付近は夜になると魔物が活発に動くらしい。

前の村にあった冒険者協会にそんな張り紙が貼ってあった。


俺は凍える体を焚き火で暖めながら準備を済ませ、防寒具を二枚重ねて着て洞窟を出ていった。


_______



雪が積もった大地を俺は足跡を残しながらずっと歩いていた。

垂れてくる鼻水を啜りながら一歩、また一歩埋まる足を動かしながら歩みを進めていった。


やっぱ前の村でちゃんとした装備を買うべきだった。

金はそれなりにあるのに、何故かあの時は渋っちまった。


はぁ〜... さみぃさみぃ。 クソ寒すぎる。


俺は白い息を出しながら、重たい荷物を背に持ち空いた両手を一生懸命擦りながらサクナ村へと向かっていった。



だが順調に進みかけていたその時、アクシデントが起きた。


俺の目の前で荷物を持ったまま倒れてる人間が居やがる。

見た目は赤髪の短髪だ。  顔は... 雪に埋まってるせいで見えねぇな。


俺は最初死んでると思っていたが、どうやら息はしているみたいだ。


顔部分は雪に埋まって冷えているが、体はそこまで冷えてない....


炎魔法でも使って体を暖めてたのか?

いや... どの炎魔法でもあの吹雪を耐える事は無理だ。 


まぁコイツがどうやってここまで耐えて、ここで倒れてんのかはしんねぇが今の俺には関係ない。


可哀想だが予定通りに事を進める為に俺は倒れてるヤツを無視して進もうとした。


だが俺の足に冷たい手がまとわりついた。

後ろを見ると倒れてた奴が顔を上げて、体調悪そうな表情で俺を見つめていた。


「なんだよ....」


俺がそう気怠そうに言うと倒れてた奴はか細い声でこう言ってきた。


「魔力.... 切れて.. 体力も... もうない。 助け... て」


「なんで俺がお前を助けなきゃいけねぇんだよ... 俺行く場所があるってのによ」


「助けてくれたら.... なんでもするから」


俺はこの言葉を聞いてある事を閃いた。


「なんでも....?」


「なんでも... する。 だから..」


「お前の体でもいいんだよな?」


「助けてくれたら.... 我慢する」


「我慢? 誰がお前みたいな男と...」


俺はそう言いかけたが、下を見るとソイツはまた倒れていた。 

どうやら今の会話で残っていた体力が尽きた様だ。


まぁコイツは助けたらなんでもするって言ったからな。 

助ける気は毛頭なかったが、なんでもするって言った以上旅には必要な存在だ。

そろそろ我慢の限界だったしな。


力を使うのはちと癪だが、目標の為には仕方ない。

俺は手からスライムを作り出し、倒れていた奴の荷物を飲み込ませた。


作り出す段階で消化液は取り除いている。

だから今のこのスライムはただのヌルヌルした荷物入れだ。


俺は赤髪の奴を抱っこしながらスライムと共にサクナ村へと向かっていった。


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