温泉街「星優里の湯」
やっと3つ目の街に着いた。ここはこの国の王様がよく遊びに来る街らしい。自然に囲まれており、俺たちが住んでる町よりもずっと標高が高い場所にある。元々湖だった所が火山灰によって埋もれ、今の場所が出来たそうな。近くに火山があり、温泉の街としても有名だ。それはさておき、俺たちはここで遊ぶためにこの先に使うであろう旅費は残しつつ、残ったお金を3等分した。
「うっひょー!やっと着いたぜ温泉の街「星優里」」
「お前そんなに温泉好きだっけか?」
「違いますよ、この男混浴温泉の場所しか探してませんでしたもの」
ただの変態じゃないか
メガネは興奮しながら先行ってるぜーと走って行った
「はぁ、まったく、俺たちはどうする?ユリは何か見たいものとかあるのか?」
「私は特に、強いて言えば家族へのお土産などでしょうか。しかし、温泉まんじゅうなどだと旅の途中で腐ってしまいますね。私お土産物を見てきます。カイはどうしますか?」
うーんと考えた後、1人で見てくるよと言い別れた。
お土産も考えたがまだ早いような気がする。多分だが、この旅は1日や2日で終わる気配がしない。あいつの事だ、夏休みギリギリまで旅をするに決まってる。
そう考えていると、辺りを見渡せる場所に出た。
下には川が流れており、とても心地いい。うとうとしてきて、もう夢の世界に飛び立つ瞬間にメガネ起こされた。学校でいい夢見ていたのに先生に起こされた時ぐらいムカついた。
「なんだよ、人がせっかく寝ようとしてるところを邪魔しやがって。温泉はもう入ったのか?」
「いや、まだだ」
少し悲しそうにメガネは言った
「どうした?まさか、お金落としたとか?」
うんうんと首を横に振った。どうやら違うらしい。
「じゃあなんだ?早く言え」
「スった」
は?
「えっとー、そのー、カジノがあったんでつい、あはは」
俺はいつもは飲まないビールを近くの自販機で買い、自室でゆっくりしていた。
メガネがお金をスったと報告した後、ユリと合流し、ユリがもう予約してあった旅館に泊まることとなった。メガネのやつは今必死こいてスった分深夜バイトで稼いでる。あのお小遣いはこの先も使うものであり、今全額使うとなるとこの先なんにも出来なくなると言われてるようなもんだ。はぁ、まったくあいつはハマったら抜け出せなくなる馬鹿者だからよくあることだが、まさか全額使うとは、今まで生きててあんなにお財布がパンパンだったのは初めてだったのに、、、
多分今日のバイトだけでは全然足りない。そのため、あいつだけは使いたかったらまず働けという、旅なのに労働三昧のになることだろう。
そう考えていると、ドアがトントンとノックされた。
「カイいるか?少し話したい事がある」
「分かった今開ける」
俺はドアを開け、椅子に座り直した。ユリはベットに座った。
「それで要件は?」
「あぁ、明日からのことなんだがもう少しこの街に居たいんだ。ダメか?」
「俺はいいぜ。でも、メガネがなんと言うか」
「アイツなら沢山バイトをお願いしたからまだ大丈夫だ。多分最低2日はかかる」
「ならいいか」
良かったなメガネ。あの金額の半分は戻ってくるかもな。
「でも、なんでこの街に残るんだ?何かやりたいことでもあるのか?」
「あぁ、明日王族の者がこの街にやってくるそうだ。私は絵でしか見た事がなくてだな、少し興味が湧いたんだ。」
王族か、そういえばこの街は王様がよく来るんだったよな。お忍びとかで来るんじゃないんだ。みんなで来るんだ。と1人でツッコミを入れた。
お腹すいてそうですね?私は少しすいてます。どら焼きでも食べてきます。さよなら