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異世界旅

国際魔法学校の期末テストを終えたカイは気分転換に友達のメガネ(あだ名)と山道を車で走っていた。

「車ってたしかカイのじいちゃんが発明したものだったよな」

「あぁ、俺のおじいちゃんが立ち上げた会社のプロジェクトのひとつだな。ここら辺だとまだ全然だが、多分もっと増えていくと思うぜ」

俺のおじいちゃんは昔はニホンからやってきた異世界人などと頭のおかしいことを語っていたため周りから避けられていたが、数々の技術が認められ不思議な物を作る会社としてここまで成長した。

「カイのじいちゃんは発明家なのに、カイ本人は赤点ギリギリのおバカさんやーね」

「赤点とってるお前には言われたくないね」

今日のドライブはメガネの補習が終わった記念でもある。俺らが通う国際魔法学校(通称魔学)はその名の通り魔法を専門的に習う所だ。国際なんてついてるが、それらしいことは一度も無い。多分カッコつけてる。魔学の試験はごく普通の実技試験だ。的に炎魔法を当てろだの、風を起こし、自分を浮かせて見ろだの、いつ使うんだか分からない魔法も多々ある。

「はぁーあ、旅したいなー」

「行ってくればいいじゃん。そろそろ長期休みだぜ。」

「うーん夏休みに行くのもありだなー。よし行こう」

こいつの決断力は凄まじく早い。そのせいで判断を誤ることがある。テストの問題だってそうだ。ちゃんとやればできるのに問題を見ないで直ぐにやってしまう。だから赤点なのだ。

「ほぉ、まぁ気おつけてな。お前ん家で下ろそうか?」

「うん。お前も旅の支度しておけよ」

「はいはい。うん?」

こいつお前もって言ったか?

「あ、?俺も?」

「当たり前じゃん。独りだと寂しいだろー」

「今から?」

「そのとぉーり」

「嫌だ」

そりゃそうだろ。夏休みなんてプールか海さえ行ければ終わりみたいなもん。後は家でゆっくりゴロゴロしていたいもんだ。

「ふーん。そう言うと思ってこっちは秘策があるんだよなー」

「秘策?なんだそれ」

ふ、ふ、ふ、と薄気味悪く笑うメガネから邪悪のオーラみたいなのが見えた。

「それはねぇーーー」

そう言うと、メガネが持ってた学生バックからある1枚の紙が出てきた。

「なんだこれ、ていうか運転しながらだと見えんて」

「読んであげましょう」

「ん」

「旅の仲間を募集してます」

「それだけ?ていうか旅の仲間募集してんだったらその人達と行けばいいじゃんか」

「まだ続きがあるんだよ」

そう言うとメガネは軽く咳払いして言った

「私は車を持っており、快適な旅を過ごせます。しかし、学生のためあまりお金に余裕がありません。そのため、お金を多く持っている方限定となっています。」

「ふーん。この街にも車を持っている人いるんだ。てっきり、俺だけかと」

「いや、カイだけだよ」

は?

「え?いや、だってその紙には車を用意している人がいるんだよな?」

「募集しているのが俺たちってことよ」

俺は急ブレーキをし、車がガックンと揺れた

「はぁ?何言ってるんだお前?いかれてんの?」

「元々イカれてるよー」

「自分で言うもんじゃねぇだろが。早くその紙を捨てるか燃やすかしろ、あ!テストでやったばっかの魔法で燃やしてやるよ。使い道ねぇなと思ったけどやっぱあるんだな」

「残念でしたー!締切終了してまーす」

俺は真顔のままメガネ頭にゲンコツを3発お見舞した。いい音がなった

「いってぇ、、まぁ聞けよ。お前にもメリットがあるってことをさ」

「俺になんのメリットがあるんだよ」

「この紙にも書いてあるとおり結構なお金持ちの人を募集したんや。それで、お前はなんにもお金なんて必要ない。必要な分だけ払ってくれる。」

「なんだそれ、なんか怖くね?それ、よく言う闇金とかなんじゃないか。」

「まぁ、安心しろって。その人と話してみたらなんと!」

「なんと?」

俺は少し不安になりながら聞いた

「若い学生の女の子だったわけよ」

こいつ、それだけじゃ安心できねぇだろ。そうつっこもうとしたがやる気が失せて、アクセルを踏んだ

「お前も女の子には弱いからなぁ」

「お前ほどじゃねぇし、まだ承諾してないんだが?」

「どうせ、家でゴロゴロするだけだろ。頼む!!もう約束しちゃったんだ」

「お前からはなんかないのか?その女の子からは旅費。お前は?」

「俺はだなぁ。そうだなぁ」

そう言うと少し考える素振りを見せてから、ちらりと外を見て窓を開けて話した。

「まぁ、いたら何とかなる的な?」

「何言ってるんだ?」

本当に何言ってるんだろう?頭悪すぎる。

「とりま、その女の子に会いに行こうぜ。話はそれからそれから」

話を完全に逸らしたなこいつ

旅したいよね?現実もいいけど異世界もいい所だよ知らんけど

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